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令嬢は元暗殺者に恋をする
第18章 カイの秘密
「私、そのペンダントを知ってるの。表面には十二個の宝石が嵌められていて、それは十二の星座を表しているのよね」

 サラは確認するようにカイに問う。しかし、カイは答えない。
 サラの服を繕うエレナの手も止まったのが視界のすみに入った。

「祖母様が時々お屋敷に招く占い師が、それと同じものを身につけていた。祖母様は大事なことを決める時は必ず占い師を呼んで占ってもらうの。その占い師を家に呼ぶ日取りだって占い師に占ってもらうんだから。それに、お父様の結婚相手でさえ、占いで決めようとしていた。それから……」

 ううん、とその先の言葉を飲み込み、サラは恐る恐るカイの目をのぞき込む。

「カイは王侯貴族専門に占いをする、国が認めた占師」

 サラが不可思議な顔で、水晶やタロットを見つめていた理由はそれだった。

「水晶とかタロット占いじゃない。カイは世界でも数少ない、星を読み解く占星術師、占師様。カイはとってもすごい人だわ!」

 サラは両手を広げ、興奮した声を上げた。

「だけど……」

「どうして俺みたいな奴が占師……かって?」

 サラは言葉を飲み込んで、椅子に座り直す。

「だって、占師といったらほんの一握りの選ばれた人しかなれないのでしょう? それに、占師の中でもさらに最高位の称号を持つ人は、滅多にお目にかかることすらできないと聞いたのだけど……」

 そこでサラは、まさかよね? とカイに目で問いかける。
 カイは肩をすくめただけであった。

「俺はすごくも何でもないし、好きで占師になったわけでもない。裏街(ここ)で行き倒れとなった俺を拾ってくれた先代の婆に技術を仕込まれた。婆が死んで、まだ餓鬼の俺が、無理矢理この称号を受け継がされてしまった。ただ、それだけだ」

 カイは簡単に受け継がされたと言うが、才能や素質がなければ占師にはなれないのだ。

「でも、王宮にも占い専門の官職があるくらいだし、占師なら王宮にあがることもできるのでしょう? 出るところに出れば、生涯お金に困らない生活ができるっていうわ」

「金? 興味ないな」

「お屋敷にくる占師様たちはみな、とんでもない金額を要求してくるのよ。でも、それがあたりまえなんだって」

 カイは嫌悪もあらわな表情を浮かべる。
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