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令嬢は元暗殺者に恋をする
第19章 戸惑う気持ち
 こわい……。

「そう、泣いても叫んでも、誰もあんたを助けには来ない」

「やだ……」

「濡らす必要はねえな。無理矢理ねじ込んで、あんたの心が壊れるまで一方的に、容赦なく何度も抱き続ける」

「……」

「かなり痛えから覚悟しておけ。まあ、痛いのは俺も同じだからな」

 サラは顔を青ざめさせた。

「気を失うことも許さない」

「あなたはそんな人じゃないもの! 信じているもの!」

「俺もあんたを信じていた」

 シンの指が少しずつサラの下着をおろしていく。
 手を縛られているため、おろされていく下着を押さえることもできない。

「いや……」

 サラはひたすら首を振った。

「一つ言っておく。そういう泣き声は、かえって男の欲情をそそるから」

「お願い、やめて……シン、ごめんなさい……ごめんなさい」

「悲惨な目にあった女たちを、裏街で何度も見てきてるんだ」

 シンの指先がサラの腰から離れた。

「あなたもそんなことをしていたの……?」

 まさか、とシンは顔を歪めて吐き捨てる。

「するわけないだろ。俺は女には手をあげないと前にも言ったはずだ」

「足……おろして……」

 真っ赤になった顔を隠すように、サラは両手で顔をおおう。
 ああ、と言って、シンはサラの足をつかみベッドにおろした。
 サラはほっと息をこぼし、ようやく緊張を解く。
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