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令嬢は元暗殺者に恋をする
第20章 告白
「私……」
ようやくサラが声を発したその時。
「おい、ちゃんと仕事しているだろうな? じゃがいもの次は玉ねぎと……」
不意にテオが現れ、厨房の入り口から顔をのぞかせた。
「やってるよ!」
調理台ばんと叩いて、シンは怒鳴り返す。そんなシンの心情も知らず、テオは不愉快そうに眉根を寄せた。
「居候のくせにほんと、態度でかいな。って、何だよこのじゃがいも! ほとんど実がないじゃないか。もったいない皮の剥き方するな」
テオはいびつに剥かれたじゃがいもの一つを手に取り、じろりとシンを睨みつける。
「テオ、それ私が剥いたじゃがいもなの」
サラがごめんなさい、と落ち込んだように自分の手元にある剥きかけのじゃがいもに視線を落とす。
途端、テオの顔つきが変わった。
「え? あ、そ、そうだったんだ……サラだったんだね。いやいや、こういうこと慣れてないんだから仕方がないさ。でも、サラはこんなことしなくてもいいんだよ。お部屋で好きなことしていて」
「私も何かお手伝いしたいと思って……」
「そうか……サラは偉いね。でも、ナイフには気をつけるんだよ。指を切らないようにね」
「ごめんなさい」
「いいんだよ。あ、僕はまだ仕事があるから。サラもほどほどにね」
テオは引きつった笑いを浮かべ、厨房から去っていってしまった。
最後にもう一度、ちゃんとやれよ、といわんばかりの冷ややかな視線をシンに向けて。
ようやくサラが声を発したその時。
「おい、ちゃんと仕事しているだろうな? じゃがいもの次は玉ねぎと……」
不意にテオが現れ、厨房の入り口から顔をのぞかせた。
「やってるよ!」
調理台ばんと叩いて、シンは怒鳴り返す。そんなシンの心情も知らず、テオは不愉快そうに眉根を寄せた。
「居候のくせにほんと、態度でかいな。って、何だよこのじゃがいも! ほとんど実がないじゃないか。もったいない皮の剥き方するな」
テオはいびつに剥かれたじゃがいもの一つを手に取り、じろりとシンを睨みつける。
「テオ、それ私が剥いたじゃがいもなの」
サラがごめんなさい、と落ち込んだように自分の手元にある剥きかけのじゃがいもに視線を落とす。
途端、テオの顔つきが変わった。
「え? あ、そ、そうだったんだ……サラだったんだね。いやいや、こういうこと慣れてないんだから仕方がないさ。でも、サラはこんなことしなくてもいいんだよ。お部屋で好きなことしていて」
「私も何かお手伝いしたいと思って……」
「そうか……サラは偉いね。でも、ナイフには気をつけるんだよ。指を切らないようにね」
「ごめんなさい」
「いいんだよ。あ、僕はまだ仕事があるから。サラもほどほどにね」
テオは引きつった笑いを浮かべ、厨房から去っていってしまった。
最後にもう一度、ちゃんとやれよ、といわんばかりの冷ややかな視線をシンに向けて。

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