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令嬢は元暗殺者に恋をする
第20章 告白
「あいつにそんなことを言わせるなんて、たいしたものだよ」

 しかし、まさかそこまでの展開になっていたとは、シンも正直思ってもいなかった。

 今まで、どんな女にも興味を示さなかったあいつが……。

 確かにサラにとってこれは、大きな一歩かもしれない。
 けれど、自分にとっては──。

 シンは口許を覆うようにテーブルに頬杖をつく。
 その手の中で浮かべているのは、意外にも不適な笑みであった。
 焦ることもないと思っていたけど、そうもいってられないってことか。

「でも、私どうしたらいいのかわからなくて……やっぱり、女らしくならないとだめかなあ」

 シンの思いを置き去りにして、サラはひとりあれこれと考えを巡らせている。

「ねえ、ハルの好みの女の子ってどういう感じか知ってる?」

「あいつの女の好みなんて、俺が知るわけないだろ」

 サラは残念そうにそっか、と声を落とす。

「私、駆け引きとかよくわからないし……」

「それはサラには向いてない。ていうか、あいつ相手に駆け引きなんてサラじゃ無理」

 あっさりと言い切られ、サラはうーんと唇を尖らすが、自分でもそれはわかっているのだろう、そうよね、と素直に納得する。

「お化粧でもしてみようかな。そうしたら少しはきれいになれるかな」

「それもやめとけ、仕上がりが想像つくから怖い」

 じゃがいもを剥く手つきでさえ、ぎこちなかったのだ。あの不器用な手つきで化粧などしたら。
 べたべたのぐりぐりだ。

「うーん。ハルが思わずどきっとしてしまうくらいの色気が私にもあればいいのに。でも、どう見ても、私よりハルの方が色っぽいし……」

「なら、俺が引きだしてあげようか?」

「何を?」

「色気」

 シンが立ち上がった。と、同時にサラは椅子ごと後ろに身体を引く。

「どうした?」

「べ、別に、何でもないわ。何となくよ……」

「ふーん」

 シンはにやりと笑い、サラを見下ろした。

「何だ、ちゃんと俺のこと意識してんじゃないか。まあ、昨夜俺にあんなことされて意識しないわけないよな」

「ち、違うわ……」

 昨夜のことを思い出したのか、サラの顔が真っ赤になる。
 不意に腰をかがめて、シンは両手でサラの頬を挟んだ。
 指先がサラの耳朶に、首筋に触れる。
 かすかにサラが息を飲んだのがわかった。
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