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令嬢は元暗殺者に恋をする
第22章 夜会へ
「どこにも行かないよ」

 だけど、もう少し素直になってくれるといいのに。

 シンは微かに笑った。そして、サラの前に片膝をつき胸に手をあてた。

 サラは俺のことを誤解しているよ。
 女なら誰でもいいってわけじゃない。
 ここに来てから沈んだ顔ばかりしているサラの側に、俺はずっとついていてあげるつもりでいたのに。
 それなのに、勝手に俺の前からいなくなって。

 サラは不審そうに目を細めた。

「今宵一晩、あなたの騎士になりましょう。私をあなたのお側に置いていただくことを許してもらえますか? 小さなお姫様」

 思いを込め、慣れない言葉と精一杯の仕草でシンはサラを大きく見上げた。
 サラは少し驚いた顔で、でもどこか嬉しそうに頬を薔薇色に染め微笑んだ。

「いいわ。側にいること、許してあげる」

「誓って、お姫様を守るよ。ついでに、心の憂鬱も」

 とりのぞいてあげる、とささやいて、シンはサラの手をとりそっと、手の甲に口づけを落とした。

「慣れているわね。私、少しどきどきしたわ……」

 胸に手をあて、サラは頬を赤らめる。
 シンは口許に緩やかな笑みを浮かべた。

「俺は奉仕する男だから」

 奉仕? とサラは小首を傾げて聞き返す。

「そう、女の子が喜んでくれると俺も嬉しい」

 シンは立ち上がり、サラの身体を軽々と抱き上げ、バルコニーの手すりに座らせた。
 サラが手すりから転がり落ちないようしっかりと、細い腰に腕を回して支える。
 サラとシンの目線の位置ががほぼ同じとなった。

「でも、あなたがそれを言うと、いやらしく聞こえるのは何故?」

「まったく何を言い出すのか。サラは一言多い」

 シンは苦笑してサラのひたいを小突いた。
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