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令嬢は元暗殺者に恋をする
第23章 抱きたい
「俺に抱かれながら、あいつのことを思ってもいい。あいつの名前を呼んでもかまわない」

 だけど、あいつのことを考える余裕なんてあたえない。

「それでも俺はかまわない」

 サラの心に身体に、俺の思いを刻みつける。
 時間をかけてゆっくりと。いつかあいつのことを忘れさせてやる。

 いや、と首を振りかけたサラの頬に、拒ませないとばかりにシンは手を添える。

「サラ、俺ならサラの望む世界に連れていってあげられる。ここから逃げ出したいと思っているなら、今すぐにでも。何があっても俺がサラを守る。大切にする。だから俺を選んで」

 愛してる、サラ。

「俺に抱かれてみて」

 戸惑いに瞳を揺らすサラをじっとシンは見つめる。しかし、次の瞬間、サラの視線が自分を通り越していることにシンは気づく。

 サラの小さな身体がかたかたと震え、指に絡ませていた手がきゅっと握りしめ返された。
 明らかに様子のおかしいサラに、シンはどうした? とその震える瞳の先を追う。

 視線の先、ひとりの男が厳しい面持ちで真っ直ぐに、こちらへと向かってくる。
 年は二十五、六。精悍な顔立ちでかなり上背のある男だった。
 衣服を着ていてもわかる筋肉質の身体つき。
 濃紺の天鵞絨の生地に、金の刺繍を施した衣装を身にまとい、膝まである鞣し皮の黒いブーツ。
 衣服をみるだけでもその男がそうとうな身分であることは知れた。

「誰、あいつ?」

 しかし、サラは顔を青ざめさせひたすら首を振るだけであった。

「サラ、こんなところで何をしているのかな?」

 男は冷ややかな声でサラに問いかける。そして、鋭い目でシンを一瞥しあざ笑った。

「婚約者である私に対するあてつけかね」

「婚約者?」

 と、聞き返すシンにサラは違うと首を振る。

「私はあなたを婚約者だと認めてないわ!」

 男は眉間にしわを刻み、口を歪ませた。

「まだ、君はそんなことを言うのか? これはすでに決まっていること。まあいい」

 男は呆れたように肩をすくめた。

「さあ、こっちに来て私と踊ってもらおうか。きちんとダンスは覚えてきたかね? この間のように私の足を踏むようなへまはしないだろうね」

「いやよ! 誰があなたなんかと踊るものですか!」

「聞き分けのない子は嫌いだよ」

 男がゆっくりとこちらに近寄ってくる。
 そこへ──。
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