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令嬢は元暗殺者に恋をする
第3章 あなたのことを知りたい
サラは戸惑った表情で立ち上がり、厳しい顔の少年と剣を交互に見つめた。
テオはいきなり隠し持っていたナイフで斬りつけられたと言っていた。
けれど、サラは素直に少年の言葉に従うことにした。
だが、その前に用意されていた清潔な上着を少年の肩に羽織らせる。
指先が少年の素肌にほんの少し触れ、再び頬を赤くする。
心臓がどきどきと音をたてて鳴っているのが、自分でもわかった。
動揺を隠して少年の剣を手に取る。
瞬間、サラは眉をしかめた。
直身細身の優美な剣である。しかし、そのたおやかさとは裏腹に、実際手にしてみるとずいぶんと重量があった。
サラは剣を大切に胸に抱き、少年の元へと戻るとそれを差し出した。
剣を受け取った少年は、酷薄な笑みをゆるりと口に刻む。
藍色の瞳に、狂気を垣間見せる怪しい炎がちらりと揺れた。
「これで俺が斬りつけたらどうする?」
「あなたはそんな人ではない」
すかさず、サラは大きく首を横に振って答えた。
「何故、そう言いきれる」
「それは……」
サラは言葉をつまらせた。
勝手な思い込みでもいい。そう信じたいと思ったから。
それ以外に理由などない。
それに、こんな剣がなくても、この人ならきっと簡単に私を殺せるはず。
そう、あっさりと容易く。
嘲笑い少年は剣を枕元に置いた。
どうやら自分を傷つけるつもりはないという少年の意思を読み取り、サラは内心ほっと胸をなでおろす。
テオはいきなり隠し持っていたナイフで斬りつけられたと言っていた。
けれど、サラは素直に少年の言葉に従うことにした。
だが、その前に用意されていた清潔な上着を少年の肩に羽織らせる。
指先が少年の素肌にほんの少し触れ、再び頬を赤くする。
心臓がどきどきと音をたてて鳴っているのが、自分でもわかった。
動揺を隠して少年の剣を手に取る。
瞬間、サラは眉をしかめた。
直身細身の優美な剣である。しかし、そのたおやかさとは裏腹に、実際手にしてみるとずいぶんと重量があった。
サラは剣を大切に胸に抱き、少年の元へと戻るとそれを差し出した。
剣を受け取った少年は、酷薄な笑みをゆるりと口に刻む。
藍色の瞳に、狂気を垣間見せる怪しい炎がちらりと揺れた。
「これで俺が斬りつけたらどうする?」
「あなたはそんな人ではない」
すかさず、サラは大きく首を横に振って答えた。
「何故、そう言いきれる」
「それは……」
サラは言葉をつまらせた。
勝手な思い込みでもいい。そう信じたいと思ったから。
それ以外に理由などない。
それに、こんな剣がなくても、この人ならきっと簡単に私を殺せるはず。
そう、あっさりと容易く。
嘲笑い少年は剣を枕元に置いた。
どうやら自分を傷つけるつもりはないという少年の意思を読み取り、サラは内心ほっと胸をなでおろす。

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