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令嬢は元暗殺者に恋をする
第3章 あなたのことを知りたい
見かけと全然違う。
肩だって細いし、腕の太さだってもしかしたら私と変わらないかも。
女の人みたいに華奢で綺麗な顔をしてるのに。
でもきっとこの人、とても強いんだわ。
その時であった。
かすかに扉が開き、テオが顔だけをのぞかせこちらに来るよう手招きをする。
サラは立ち上がり一度だけ少年に視線を向け、そして、テオに招かれるまま部屋から出た。
何かしら? とテオを見上げると、相手は渋面顔を作る。
「たった今、情報が入って」
神妙な顔つきでテオは低く声を落とした。
「カーナの森で、賊の集団が発見されたそうです」
サラは目を開いてテオを見つめ返した。
カーナの森に現れた賊の集団。
傷ついたあの少年。
やっぱりあの人、賊に襲われたのだわ。
黙りこくったまま考えにふけるサラの思考を読みとったのか、テオは重いため息とともに違うのだと首を横に振る。
「驚かないで聞いてください」
テオはいっそう声をひそめた。
「賊たちは死体で発見されたのです」
「死体?」
「そう、約二十人……それらすべてが無惨な状態で」
サラはさらに目を見開いた。
それは見るに堪えられない有様であったという。
死体を処理する役人たちは込み上げてくる吐き気をこらえきれなかったと。
青ざめた顔でサラは信じられないと首を振る。
たった一人で、二十人近くの賊と戦い、葬ってしまうなど、そんなことができるというのだろうか。
肩だって細いし、腕の太さだってもしかしたら私と変わらないかも。
女の人みたいに華奢で綺麗な顔をしてるのに。
でもきっとこの人、とても強いんだわ。
その時であった。
かすかに扉が開き、テオが顔だけをのぞかせこちらに来るよう手招きをする。
サラは立ち上がり一度だけ少年に視線を向け、そして、テオに招かれるまま部屋から出た。
何かしら? とテオを見上げると、相手は渋面顔を作る。
「たった今、情報が入って」
神妙な顔つきでテオは低く声を落とした。
「カーナの森で、賊の集団が発見されたそうです」
サラは目を開いてテオを見つめ返した。
カーナの森に現れた賊の集団。
傷ついたあの少年。
やっぱりあの人、賊に襲われたのだわ。
黙りこくったまま考えにふけるサラの思考を読みとったのか、テオは重いため息とともに違うのだと首を横に振る。
「驚かないで聞いてください」
テオはいっそう声をひそめた。
「賊たちは死体で発見されたのです」
「死体?」
「そう、約二十人……それらすべてが無惨な状態で」
サラはさらに目を見開いた。
それは見るに堪えられない有様であったという。
死体を処理する役人たちは込み上げてくる吐き気をこらえきれなかったと。
青ざめた顔でサラは信じられないと首を振る。
たった一人で、二十人近くの賊と戦い、葬ってしまうなど、そんなことができるというのだろうか。

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