この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
令嬢は元暗殺者に恋をする
第27章 勝負の行方
「おいおい……兄ちゃん、もうやめたほうがいいって」
「顔色が悪いぞ」
「そもそも、シンにかなうわけないんだ」
「おい、そっちの兄ちゃんもいい加減にしてやったらどうだ? こいつ、ぶっ倒れるぞ」
「あんたらの飲んでる量、半端ないって」
「まだだよ」
そう答え、シンはテーブルに頬杖をつきながら、空になったハルの盃に容赦なく酒を注ぐ。
「こいつが負けを認めたら、やめてやる」
シンは自分の杯にも並々と酒をそそぎ一気に飲み干した。
まだまだ余裕とばかりに笑ってみせながら、ハルにさあ、飲めと目で合図する。
「しかし、兄ちゃんもそうとう何ていうか、あれだな……」
「そ、俺って聞き分けのない子には容赦しねえから」
テーブルの回りにはすでに大勢の客で人集りとなり、この成り行きを固唾を飲んで見守っていた。
酒盃に手を伸ばすハルを見つめ、シンは肩をすくめ軽くため息をつく。
「ほんと、おまえも強情というか、そこまで負けず嫌いだとは思わなかったよ。どうみたってもう勝負はついてるだろ? あんまり意地張ると、どうなっても知らないぞ」
「黙れ!」
テーブルをばしりと手で叩きつけ、ハルは勢いよく立ち上がった。途端、足をよろめかせ体勢を崩す。
すかさず、シンが椅子から立ち上がり、倒れそうになったハルの身体に手を伸ばして支えた。
ふらりと身体を傾げ、ハルのひたいがシンの肩に添えられた。
「顔色が悪いぞ」
「そもそも、シンにかなうわけないんだ」
「おい、そっちの兄ちゃんもいい加減にしてやったらどうだ? こいつ、ぶっ倒れるぞ」
「あんたらの飲んでる量、半端ないって」
「まだだよ」
そう答え、シンはテーブルに頬杖をつきながら、空になったハルの盃に容赦なく酒を注ぐ。
「こいつが負けを認めたら、やめてやる」
シンは自分の杯にも並々と酒をそそぎ一気に飲み干した。
まだまだ余裕とばかりに笑ってみせながら、ハルにさあ、飲めと目で合図する。
「しかし、兄ちゃんもそうとう何ていうか、あれだな……」
「そ、俺って聞き分けのない子には容赦しねえから」
テーブルの回りにはすでに大勢の客で人集りとなり、この成り行きを固唾を飲んで見守っていた。
酒盃に手を伸ばすハルを見つめ、シンは肩をすくめ軽くため息をつく。
「ほんと、おまえも強情というか、そこまで負けず嫌いだとは思わなかったよ。どうみたってもう勝負はついてるだろ? あんまり意地張ると、どうなっても知らないぞ」
「黙れ!」
テーブルをばしりと手で叩きつけ、ハルは勢いよく立ち上がった。途端、足をよろめかせ体勢を崩す。
すかさず、シンが椅子から立ち上がり、倒れそうになったハルの身体に手を伸ばして支えた。
ふらりと身体を傾げ、ハルのひたいがシンの肩に添えられた。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


