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令嬢は元暗殺者に恋をする
第3章 あなたのことを知りたい
「……二十人の賊を、あなた一人で?」
サラの声が上擦る。
少年はくつくつと小刻みに肩を震わせ、二十三人だよ、とご丁寧にも訂正し、続けて言った。
「人を斬り殺し、これで何人目と心の中で数えるのさ。想像できるか? 肉を切り裂く感触。吐き気を誘う血のにおい」
「もうやめて!」
あきらかに自分が怯える反応を愉しんでいるとしか思えなかった。けれど、少年の言葉は止まらない。
「大の男が涙を流して懇願するんだ。命だけは助けてくれと」
「なのに、あなたは彼らの命乞いをはねつけた」
「生きるか死ぬかの戦いに、情けは無用。相手に刃を突きつけるということは、自分にも最悪の結果がおとずれるということを覚悟するべきだ」
「ひどい人。人として最低だわ!」
少年はまなじりを細め、突然、加減のない力でサラの手首を強く握り自分の元へと引き寄せた。
その瞳に殺気を揺らして。
「二度とそんな口がきけないようにしてやろうか」
サラの声が上擦る。
少年はくつくつと小刻みに肩を震わせ、二十三人だよ、とご丁寧にも訂正し、続けて言った。
「人を斬り殺し、これで何人目と心の中で数えるのさ。想像できるか? 肉を切り裂く感触。吐き気を誘う血のにおい」
「もうやめて!」
あきらかに自分が怯える反応を愉しんでいるとしか思えなかった。けれど、少年の言葉は止まらない。
「大の男が涙を流して懇願するんだ。命だけは助けてくれと」
「なのに、あなたは彼らの命乞いをはねつけた」
「生きるか死ぬかの戦いに、情けは無用。相手に刃を突きつけるということは、自分にも最悪の結果がおとずれるということを覚悟するべきだ」
「ひどい人。人として最低だわ!」
少年はまなじりを細め、突然、加減のない力でサラの手首を強く握り自分の元へと引き寄せた。
その瞳に殺気を揺らして。
「二度とそんな口がきけないようにしてやろうか」

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