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令嬢は元暗殺者に恋をする
第31章 月夜の蜜会
「何故?」
藍色の瞳が、微かに震えるサラを責めるようにのぞき込み問いかける。
「俺を誘って何故拒む?」
「誘うだなんて。私……そんなつもりは」
「こんな夜更けに俺を部屋に招き入れたということは、つまり誘っているということ」
「それは……」
「拒んだら、もう会いに来てあげないよ。いいの? それでも」
「そん……っ」
サラは目を見開いた。
言葉ごと奪うように、ハルの唇で唇をふさがれてしまったからだ。
唇をついばまれるような口づけに、強ばっていたサラの身体の力が少しずつ抜けていく。
いったん唇が離れ、吐息がかかるほどの距離で目をのぞき込まれる。
「ハル……」
「抵抗しないんだね」
「もう会いに来ないだなんて言わないで……どこにも行かないで。ハルがいなくなったら寂しい」
「可愛い」
口許に薄い笑いを刻んだハルの唇が、もう一度サラの唇に重ねられる。
閉じたハルのまぶたにつられ、サラも静かに目を閉じた。
あごにかけられたハルの指にほんの少し力が入る。
軽く開かされた唇にハルの舌が割り柔らかく絡んだ。
最初に出会った頃、半ば無理矢理唇を奪われた時の強引さも荒々しさもない。
まるで何も知らない自分に、ひとつひとつ丁寧に教え込んでいくかのような優しく甘い口づけであった。
藍色の瞳が、微かに震えるサラを責めるようにのぞき込み問いかける。
「俺を誘って何故拒む?」
「誘うだなんて。私……そんなつもりは」
「こんな夜更けに俺を部屋に招き入れたということは、つまり誘っているということ」
「それは……」
「拒んだら、もう会いに来てあげないよ。いいの? それでも」
「そん……っ」
サラは目を見開いた。
言葉ごと奪うように、ハルの唇で唇をふさがれてしまったからだ。
唇をついばまれるような口づけに、強ばっていたサラの身体の力が少しずつ抜けていく。
いったん唇が離れ、吐息がかかるほどの距離で目をのぞき込まれる。
「ハル……」
「抵抗しないんだね」
「もう会いに来ないだなんて言わないで……どこにも行かないで。ハルがいなくなったら寂しい」
「可愛い」
口許に薄い笑いを刻んだハルの唇が、もう一度サラの唇に重ねられる。
閉じたハルのまぶたにつられ、サラも静かに目を閉じた。
あごにかけられたハルの指にほんの少し力が入る。
軽く開かされた唇にハルの舌が割り柔らかく絡んだ。
最初に出会った頃、半ば無理矢理唇を奪われた時の強引さも荒々しさもない。
まるで何も知らない自分に、ひとつひとつ丁寧に教え込んでいくかのような優しく甘い口づけであった。

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