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令嬢は元暗殺者に恋をする
第33章 ハルの過去
「何故、驚いた顔をする?」
「だって、突然……」
「問題が解けたらキスして欲しいって言っただろう? ひたいと頬に」
「言ったけど……」
「唇にしたのは二問、間違えた罰。いやだった?」
サラは頬を熱くさせ小さく首を振った。
「……いやじゃない」
ハルの手が頬に添えられた。
またキスをされるのではと思わず身がまえたが、そのまま抱き寄せられ、ハルの腕が背中に回された。
優しく髪をなでるハルの手にうっとりとまぶたを閉じる。
自然と肩の力が抜けていき、サラは相手の胸にゆっくりと全身をあずけた。
衣服越しに伝わってくるハルの体温。
とくとくと、心臓の鼓動まで伝わってくる。
「あんたには決して想像のつかない世界にいたよ。賢くなければ、強くなければ生き残れない……騙しあい奪いあい、自分にとって邪魔な存在は消していく。そうしなければ、自分が消されてしまうから。ハルという名も本当の名前ではない。俺は自分の本当の名前すら知らない」
サラはえ? と小さな声をもらす。
「だって、突然……」
「問題が解けたらキスして欲しいって言っただろう? ひたいと頬に」
「言ったけど……」
「唇にしたのは二問、間違えた罰。いやだった?」
サラは頬を熱くさせ小さく首を振った。
「……いやじゃない」
ハルの手が頬に添えられた。
またキスをされるのではと思わず身がまえたが、そのまま抱き寄せられ、ハルの腕が背中に回された。
優しく髪をなでるハルの手にうっとりとまぶたを閉じる。
自然と肩の力が抜けていき、サラは相手の胸にゆっくりと全身をあずけた。
衣服越しに伝わってくるハルの体温。
とくとくと、心臓の鼓動まで伝わってくる。
「あんたには決して想像のつかない世界にいたよ。賢くなければ、強くなければ生き残れない……騙しあい奪いあい、自分にとって邪魔な存在は消していく。そうしなければ、自分が消されてしまうから。ハルという名も本当の名前ではない。俺は自分の本当の名前すら知らない」
サラはえ? と小さな声をもらす。

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