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令嬢は元暗殺者に恋をする
第35章 遠い地、レザン・パリュー
以前、シンに連れられて裏街に行った時のことを思い出す。
あの時、ハルは他の女の人と抱き合って、何かすごいことをしてた。
ぼっとサラは顔を赤らめた。
「もし、あんた以外の女と会っていると言ったら?」
「べ、別にいいもの!」
一瞬、泣きそうな顔をしたものの、サラは頬を膨らませ、ふいっとそっぽを向いてしまった。
ご機嫌を損ねてしまったサラを見つめ、ハルは肩を揺らして笑う。
「いいの?」
「いいわ!」
「そう」
「やっぱりいや。私以外の女の人となんていや!」
あの時は、ハルならおつき合いしている女性が複数いてもおかしくはないと思っていた。
だけど、今はハルが自分以外の人と一緒にいることを考えるだけで、胸が締めつけられるように痛む。
私以外の人に触れて欲しくない。
私だけを見て欲しい。
誰にもハルを渡したくない。
「誰かさんが毎日会いに来てと言うから」
「じゃあ、今は誰ともおつき合いをしていないのね? ほんとうに?」
「疑うの?」
ううん、と首を振り、サラはきゅっとハルの腕にしがみついた。
「ハル、私ね、ハルの生まれた故郷にとても興味があるの。ハルがどんなところで育ったのか少しでも知りたいと思って」
もちろん、それは真実だ。
けれど。
サラは様子をうかがうように、おそるおそるハルを見上げた。
家庭教師が語ったことが、どうしてもサラの心に引っかかったのだ。
あの時、ハルは他の女の人と抱き合って、何かすごいことをしてた。
ぼっとサラは顔を赤らめた。
「もし、あんた以外の女と会っていると言ったら?」
「べ、別にいいもの!」
一瞬、泣きそうな顔をしたものの、サラは頬を膨らませ、ふいっとそっぽを向いてしまった。
ご機嫌を損ねてしまったサラを見つめ、ハルは肩を揺らして笑う。
「いいの?」
「いいわ!」
「そう」
「やっぱりいや。私以外の女の人となんていや!」
あの時は、ハルならおつき合いしている女性が複数いてもおかしくはないと思っていた。
だけど、今はハルが自分以外の人と一緒にいることを考えるだけで、胸が締めつけられるように痛む。
私以外の人に触れて欲しくない。
私だけを見て欲しい。
誰にもハルを渡したくない。
「誰かさんが毎日会いに来てと言うから」
「じゃあ、今は誰ともおつき合いをしていないのね? ほんとうに?」
「疑うの?」
ううん、と首を振り、サラはきゅっとハルの腕にしがみついた。
「ハル、私ね、ハルの生まれた故郷にとても興味があるの。ハルがどんなところで育ったのか少しでも知りたいと思って」
もちろん、それは真実だ。
けれど。
サラは様子をうかがうように、おそるおそるハルを見上げた。
家庭教師が語ったことが、どうしてもサラの心に引っかかったのだ。

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