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令嬢は元暗殺者に恋をする
第38章 レザンの暗殺者
「あんたすぐ顔にでるから心配だな」
「私、じゅうぶん気をつけるわ。ハルの言いつけはきちんと守る。そうしないと、ハルに迷惑をかけてしまうもの」
「いい子だね」
まるで子どもに言い聞かせるように、静かに優しく声を落とすハルの手に頬を挟み込まれる。
「ねえ」
「な、何?」
「入れ墨をいれる風習はこの国にはないし、もっと、驚かれると思ったけど、そうでもなかったね。どうして?」
サラは胸をどきりとさせた。
「……そんなことないわ。すごく驚いてるもの」
「そう? もしかして誰かの何かを見た?」
「何それ。何のことか、言ってる意味がさっぱりわからない」
「俺に嘘をつくの? 俺は何もかも隠さず、こうしてすべてを話しているのに」
ひどいな、と悲しげに瞳を揺らすハルに見つめられ、サラはうう……と声をもらした。
ああ……この表情にだまされてはいけないってわかってはいるけど、隠すこともできないわ。後でばれてしまった時の方が怖いし。
「……シンの背中にもすごいのがあって……それを見てしまったから」
案の定、ハルの瞳に剣呑な光がちらりと過ぎる。
「どうしてあいつの背中の入れ墨を知っているの?」
「それは……」
ハルが疑問に思うのも無理はない。
服を脱がなければ、シンの背中のそれを目にすることはできない。
「シンが服を脱いでいて」
ハルはさらに目を細める。
「ち、違うの、違うのよ! あの人勝手に服を脱いでいて、それで見てしまったというか……それにシンってば何も着ないで裸で寝るし……私、すごく驚いて」
あれ……何かだんだん深みにはまっていくような。
それもあまりよくない雰囲気に……。
「あいつが裸で寝るって、そんなことまで知っているんだ」
「違っ! 本当にシンとは何もないのよ。ねえ、ここにきてまさか私のこと疑ったりしないわよね」
「疑ってなんかいないよ。でも……」
「でも?」
「もし、あんたとあいつとの間に何かあったというなら」
ハルは悪戯げに目を細めたまま、薄い嗤いを口許に浮かべる。
「私、じゅうぶん気をつけるわ。ハルの言いつけはきちんと守る。そうしないと、ハルに迷惑をかけてしまうもの」
「いい子だね」
まるで子どもに言い聞かせるように、静かに優しく声を落とすハルの手に頬を挟み込まれる。
「ねえ」
「な、何?」
「入れ墨をいれる風習はこの国にはないし、もっと、驚かれると思ったけど、そうでもなかったね。どうして?」
サラは胸をどきりとさせた。
「……そんなことないわ。すごく驚いてるもの」
「そう? もしかして誰かの何かを見た?」
「何それ。何のことか、言ってる意味がさっぱりわからない」
「俺に嘘をつくの? 俺は何もかも隠さず、こうしてすべてを話しているのに」
ひどいな、と悲しげに瞳を揺らすハルに見つめられ、サラはうう……と声をもらした。
ああ……この表情にだまされてはいけないってわかってはいるけど、隠すこともできないわ。後でばれてしまった時の方が怖いし。
「……シンの背中にもすごいのがあって……それを見てしまったから」
案の定、ハルの瞳に剣呑な光がちらりと過ぎる。
「どうしてあいつの背中の入れ墨を知っているの?」
「それは……」
ハルが疑問に思うのも無理はない。
服を脱がなければ、シンの背中のそれを目にすることはできない。
「シンが服を脱いでいて」
ハルはさらに目を細める。
「ち、違うの、違うのよ! あの人勝手に服を脱いでいて、それで見てしまったというか……それにシンってば何も着ないで裸で寝るし……私、すごく驚いて」
あれ……何かだんだん深みにはまっていくような。
それもあまりよくない雰囲気に……。
「あいつが裸で寝るって、そんなことまで知っているんだ」
「違っ! 本当にシンとは何もないのよ。ねえ、ここにきてまさか私のこと疑ったりしないわよね」
「疑ってなんかいないよ。でも……」
「でも?」
「もし、あんたとあいつとの間に何かあったというなら」
ハルは悪戯げに目を細めたまま、薄い嗤いを口許に浮かべる。

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