この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
令嬢は元暗殺者に恋をする
第41章 名前を呼んで
「ハルのお師匠様はものすごい猛者なのね。きっと強面で、身体が大きくて、背も高くて筋肉隆々って感じ。あたってる?」
ハルよりも強いというくらいなのだから、きっとごつい感じの人に違いないと、思ったサラは会ったことのないレイという人物の姿を表現する。しかし、ハルは両肩を揺らしながら笑い出した。
「レイに会ったら、絶対に驚くと思う」
「驚く? やっぱり、ものすごく、ごつい人なのね? 熊みたい?」
「熊ね……」
ハルは笑ったまま違うと首を振った。
「その反対。あんたが想像しているのと全然違う。見かけは女性みたいにたおやかな人だよ。物腰も柔らかくてきれいな人だ」
「ハルだってそうよ。怒られるかも知れないけれど、ハルだって一見すると強そうには見えないし、とてもきれいだし。前みたいにとげとげしさがなくなって、口を開かなければ……」
おとなしそうに見えるし……と、最後の言葉はもごもごと口の中で呟く。
「俺たちは容姿も武器だと言っただろう? たいていの奴らは俺たちの見た目で油断する」
確かに……と思わず心の中でうなずいてしまう。
「ねえ、レイという人も、ハルと似たような境遇で組織に?」
「違うよ。レイはレザンのフィクスレクス国の王子だ。いや、元王子だな」
「お、王子様っ!」
そんなことまで聞いてしまってもいいのかしらと思いながらも、サラは素っ頓狂な声をあげ目を丸くする。
ハルよりも強いというくらいなのだから、きっとごつい感じの人に違いないと、思ったサラは会ったことのないレイという人物の姿を表現する。しかし、ハルは両肩を揺らしながら笑い出した。
「レイに会ったら、絶対に驚くと思う」
「驚く? やっぱり、ものすごく、ごつい人なのね? 熊みたい?」
「熊ね……」
ハルは笑ったまま違うと首を振った。
「その反対。あんたが想像しているのと全然違う。見かけは女性みたいにたおやかな人だよ。物腰も柔らかくてきれいな人だ」
「ハルだってそうよ。怒られるかも知れないけれど、ハルだって一見すると強そうには見えないし、とてもきれいだし。前みたいにとげとげしさがなくなって、口を開かなければ……」
おとなしそうに見えるし……と、最後の言葉はもごもごと口の中で呟く。
「俺たちは容姿も武器だと言っただろう? たいていの奴らは俺たちの見た目で油断する」
確かに……と思わず心の中でうなずいてしまう。
「ねえ、レイという人も、ハルと似たような境遇で組織に?」
「違うよ。レイはレザンのフィクスレクス国の王子だ。いや、元王子だな」
「お、王子様っ!」
そんなことまで聞いてしまってもいいのかしらと思いながらも、サラは素っ頓狂な声をあげ目を丸くする。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


