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令嬢は元暗殺者に恋をする
第41章 名前を呼んで
一国の王子様がどうして暗殺組織に? いったい、ハルのいた組織にはどういう人たちが揃っているのか本当に謎だわ。
それにしても……。
その人のことを語るハルの口調はとても懐かしそうで、嬉しそうにも見えた。
「ハルはほんとうにその人のことが好きなのね」
「好き?」
「とても嬉しそうに喋るわ。会いたい?」
ハルはいや、と小さな声を落とした。その表情に苦渋の色がにじむ。
「会えないよ。今度会うときは敵だと言われた。その時は容赦なく俺を殺すと。俺はレイにだけは絶対に勝てない。だから、二度とレザンには戻れない」
サラの手がハルの頬へと伸びた。
「会いたい人に会えないのはとても辛いわ」
それに、好きだと思っている人にそんなふうに言われてしまうなんて悲しすぎる。
頬にあてた手をとられ、指先に口づけをされた。そして、ハルは地面に置いてあったサラが振り回していた短剣を拾い上げる。
「両手でしっかり握って」
「え? うん」
言われるままサラは鞘におさまったままの差し出された剣を両手で握りしめ、怪訝な顔で手にした剣とハルを交互にみやる。
剣は教えないとさっき言ったばかりなのに、どういうつもりなのだろう。
それにしても……。
その人のことを語るハルの口調はとても懐かしそうで、嬉しそうにも見えた。
「ハルはほんとうにその人のことが好きなのね」
「好き?」
「とても嬉しそうに喋るわ。会いたい?」
ハルはいや、と小さな声を落とした。その表情に苦渋の色がにじむ。
「会えないよ。今度会うときは敵だと言われた。その時は容赦なく俺を殺すと。俺はレイにだけは絶対に勝てない。だから、二度とレザンには戻れない」
サラの手がハルの頬へと伸びた。
「会いたい人に会えないのはとても辛いわ」
それに、好きだと思っている人にそんなふうに言われてしまうなんて悲しすぎる。
頬にあてた手をとられ、指先に口づけをされた。そして、ハルは地面に置いてあったサラが振り回していた短剣を拾い上げる。
「両手でしっかり握って」
「え? うん」
言われるままサラは鞘におさまったままの差し出された剣を両手で握りしめ、怪訝な顔で手にした剣とハルを交互にみやる。
剣は教えないとさっき言ったばかりなのに、どういうつもりなのだろう。

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