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令嬢は元暗殺者に恋をする
第42章 お出かけ
「ハル、お待たせ! ちゃんと買えたわ、よ……」
露店で買ってきたパイの包み二つを手に、小走りでハルの元に戻ってきたサラはふと足を止めてしまった。
ハルの回りを取り囲むように、数人の女の子たちが群がっていたからだ。
背の高いハルを見上げ、彼女たちは顔を赤らめながら話しかけている。
い、いつの間に!
「あなたこの国の人じゃないわよね。珍しいわ。どこから来たの?」
「もしかして、北の人? そうでしょう?」
「どうしてアルガリタに来たの?」
「言葉わかる?」
ひたすら質問攻めの女の子たちに、何か答えるわけでもなく、無表情で立ちつくすハルに、言葉が通じていないのだと勝手に思い込んでいる彼女たちは身振り手振りで懸命になって話しかけている。
そのうちのひとりがハルの腰の剣を指さした。
「剣持ってるけど扱えるの?」
「へー、そういうの振り回したりする感じには全然見えないけど。ていうか、そういうの持ってると、かえって因縁つけられるから気をつけたほうがいいわよ。これは忠告ね」
「そうそう。裏街の血の気の多い男たちがけっこうこの辺りをふらふらしているから」
ハルにそんなこと言うなんて……因縁つけたほうが気をつけなければいけないんだから!
「よかったら、この町のこととかいろいろ教えてあげる」
「暇だったらいろいろ案内してあげるわよ」
ずいぶんと積極的な女の子たちであった。
露店で買ってきたパイの包み二つを手に、小走りでハルの元に戻ってきたサラはふと足を止めてしまった。
ハルの回りを取り囲むように、数人の女の子たちが群がっていたからだ。
背の高いハルを見上げ、彼女たちは顔を赤らめながら話しかけている。
い、いつの間に!
「あなたこの国の人じゃないわよね。珍しいわ。どこから来たの?」
「もしかして、北の人? そうでしょう?」
「どうしてアルガリタに来たの?」
「言葉わかる?」
ひたすら質問攻めの女の子たちに、何か答えるわけでもなく、無表情で立ちつくすハルに、言葉が通じていないのだと勝手に思い込んでいる彼女たちは身振り手振りで懸命になって話しかけている。
そのうちのひとりがハルの腰の剣を指さした。
「剣持ってるけど扱えるの?」
「へー、そういうの振り回したりする感じには全然見えないけど。ていうか、そういうの持ってると、かえって因縁つけられるから気をつけたほうがいいわよ。これは忠告ね」
「そうそう。裏街の血の気の多い男たちがけっこうこの辺りをふらふらしているから」
ハルにそんなこと言うなんて……因縁つけたほうが気をつけなければいけないんだから!
「よかったら、この町のこととかいろいろ教えてあげる」
「暇だったらいろいろ案内してあげるわよ」
ずいぶんと積極的な女の子たちであった。

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