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令嬢は元暗殺者に恋をする
第43章 ハルからの贈りもの
店の主人の褒め言葉に、ハルはどうも、と言って苦笑いを刻む。
どこに行っても、みなのハルに接する態度は同じであった。
一様に必ずハルの容姿にみとれ、そして、異国人であることに驚き、レザンのことを尋ねてくるのであった。
みながみな同じ反応をみせるから、さすがのハルも嫌気がさして不機嫌になるのではサラは心配したが、そういう素振りをまったく見せることもなく、どの店でもハルはにこやかに笑って答えた。
あんなにとげとげしかったハルが笑って他人と会話してるわ。
それもごく自然にあたりさわりのない会話を普通に……。
信じられないと言ってしまったらあれだけど、でもやっぱり嘘みたい。
「あれかい? 出身は北の方、レザンかい? しかし、何でまたこの国に?」
「まあね。いろいろ事情があって」
にこりと笑って適当に主人の質問を受け流すハルを、サラは首を仰け反らせて見上げた。
「そうかそうか。レザンの人間なんてこの国じゃ滅多に見かけないからねえ。あそこは男も女も色白でみんな美人さんぞろいだって聞くけど……いやーほんとなんだな。いやいや、間近で見て驚きだよ」
お喋りをしながらも、店の主人はリボンを丁寧に袋に包みハルに手渡した。
「これは直接、兄ちゃんから恋人に手渡してやんな」
店の主人の視線が再びサラに向けられた。
「小さくて可愛いらしい恋人だ。ちゃんと大切にするんだぜ」
「言われなくても」
と、背後からハルに抱きしめられ、サラはたちまち顔を赤くする。
「ははは、毎度!」
どこに行っても、みなのハルに接する態度は同じであった。
一様に必ずハルの容姿にみとれ、そして、異国人であることに驚き、レザンのことを尋ねてくるのであった。
みながみな同じ反応をみせるから、さすがのハルも嫌気がさして不機嫌になるのではサラは心配したが、そういう素振りをまったく見せることもなく、どの店でもハルはにこやかに笑って答えた。
あんなにとげとげしかったハルが笑って他人と会話してるわ。
それもごく自然にあたりさわりのない会話を普通に……。
信じられないと言ってしまったらあれだけど、でもやっぱり嘘みたい。
「あれかい? 出身は北の方、レザンかい? しかし、何でまたこの国に?」
「まあね。いろいろ事情があって」
にこりと笑って適当に主人の質問を受け流すハルを、サラは首を仰け反らせて見上げた。
「そうかそうか。レザンの人間なんてこの国じゃ滅多に見かけないからねえ。あそこは男も女も色白でみんな美人さんぞろいだって聞くけど……いやーほんとなんだな。いやいや、間近で見て驚きだよ」
お喋りをしながらも、店の主人はリボンを丁寧に袋に包みハルに手渡した。
「これは直接、兄ちゃんから恋人に手渡してやんな」
店の主人の視線が再びサラに向けられた。
「小さくて可愛いらしい恋人だ。ちゃんと大切にするんだぜ」
「言われなくても」
と、背後からハルに抱きしめられ、サラはたちまち顔を赤くする。
「ははは、毎度!」

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