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令嬢は元暗殺者に恋をする
第45章 心にかかる不安
「あんたは俺のものだと言った。そして、あんたを他の誰にも渡すつもりはないと誓った。今さら、他の男と一緒になると言っても俺は許さないし、他の誰かに心変わりすることも認めない」
「あの人と結婚するつもりなんて、これっぽちもないわ。それに、ハル以外の人となんて考えたこともない」
ハルにそう言ってもらえて嬉しいのに、なのに何故だろう、素直に喜ぶことができなかった。
サラは何かに脅えるように身体を震わせた。
全身が総毛立つような、まるでざらついた何かで肌の表面をなでられる感覚に襲われ不安でたまらない。
ハルと一緒にいるところをファルクに見られてしまった。
ハルとファルクが出会ってしまった。
シンの時のように、ファルクから何かを仕掛けてくることがなかったのが救いであった。
だが、もしあの時、ファルクがハルに剣を向けたらどうなっていたのだろうか。もし、そうなったらハルはどうしただろうか。
そう思うと恐ろしさに震えた。
それに、先ほどからつきまとう不安は何だろう。
とてつもなく、何かよくないことが起こる……そんな気がしてならなかった。
けれど、その不安が何を意味するのか、自分は何に脅えているのか、それがわからないだけに、いっそう焦れた思いをつのらせた。
ハルの手が頬にあてられた。
「どうしたの? 何か心配事があるなら言って」
「ハル……」
「言ってごらん」
もう、あの屋敷には戻りたくない。
いっそうのこと、このままどこかに連れていって欲しい。
とても嫌な予感がする。
心がざわざわと騒いで落ち着かず、鼓動が何かの暗示を知らせるようにしきりに警告を鳴らしている。
何かよくないことが起こりそうで怖い。
でも……。
よくないことって何?
それは私の身に?
それともハルの身に?
この胸に巣くう不安をハルに打ち明けるべきだろうかとサラは思い悩む。
だが、不安に思うのはあくまで自分がそう思い込んでいるだけであって、実際には確たるものなど何もないのだ。
いってみればただの予感。
ハルの優しい言葉に声に、喉まで出かかった言葉だが、サラは何故か飲み込んでしまった。
「あの人と結婚するつもりなんて、これっぽちもないわ。それに、ハル以外の人となんて考えたこともない」
ハルにそう言ってもらえて嬉しいのに、なのに何故だろう、素直に喜ぶことができなかった。
サラは何かに脅えるように身体を震わせた。
全身が総毛立つような、まるでざらついた何かで肌の表面をなでられる感覚に襲われ不安でたまらない。
ハルと一緒にいるところをファルクに見られてしまった。
ハルとファルクが出会ってしまった。
シンの時のように、ファルクから何かを仕掛けてくることがなかったのが救いであった。
だが、もしあの時、ファルクがハルに剣を向けたらどうなっていたのだろうか。もし、そうなったらハルはどうしただろうか。
そう思うと恐ろしさに震えた。
それに、先ほどからつきまとう不安は何だろう。
とてつもなく、何かよくないことが起こる……そんな気がしてならなかった。
けれど、その不安が何を意味するのか、自分は何に脅えているのか、それがわからないだけに、いっそう焦れた思いをつのらせた。
ハルの手が頬にあてられた。
「どうしたの? 何か心配事があるなら言って」
「ハル……」
「言ってごらん」
もう、あの屋敷には戻りたくない。
いっそうのこと、このままどこかに連れていって欲しい。
とても嫌な予感がする。
心がざわざわと騒いで落ち着かず、鼓動が何かの暗示を知らせるようにしきりに警告を鳴らしている。
何かよくないことが起こりそうで怖い。
でも……。
よくないことって何?
それは私の身に?
それともハルの身に?
この胸に巣くう不安をハルに打ち明けるべきだろうかとサラは思い悩む。
だが、不安に思うのはあくまで自分がそう思い込んでいるだけであって、実際には確たるものなど何もないのだ。
いってみればただの予感。
ハルの優しい言葉に声に、喉まで出かかった言葉だが、サラは何故か飲み込んでしまった。

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