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令嬢は元暗殺者に恋をする
第47章 私を愛して
 ハルが見たというのは、ベゼレート先生の診療所でのことを言っているのだ。
 あの時、突然ハルに服を脱がされ、そして……強引にベッドに押し倒された。
 サラはふるふると頭を振る。

「や、やめて。思い出したりなんてしないでね。私、胸もおしりもぺったんこだし色気だってないし……ほんとうに恥ずかしいから」

「そんなこと気にしているの? 今だってじゅうぶん可愛くて、魅力的だよ。それに、気づいていないの? ほんの少し手を加えるだけで、あんたは今以上に輝けるってことを」

「輝ける? 私が?」

 そうだよ、と静かな声を落とし、上半身裸のままハルがこちらへと歩み寄って来る。

「あの、あの……」

 口をぱくぱくさせながら、近づいてくるハルから距離をとるように後ずさる。けれど、すぐ背中に壁があたり逃げ場を失ってしまった。

 サラはちらりと背後に視線を走らせる。
 後ろに続く部屋は寝室で、隅にはベッドが置かれてある。

 も、もう完全に意識しているのがハルにばれているわ。
 恥ずかしすぎる。

 目の前に近づいたハルが身をかがめ、とんと壁に片手をついた。
 ハルの体温さえ感じるほどの間近な距離に、心臓がとくとくと音をたて、息をするのも苦しく感じられた。

 頬がかっと熱くなる。
 表情を強ばらせ、ハルを見上げた。
 ハルの髪から、したたる水滴がぽたりと落ちる。

「そんなに警戒しなくても何もしないよ」

「なら……この体勢は何?」

 まるで追いつめられているみたいで。
 逃がさないといわれているみたいで。
 動くことができない。

「怯えた顔があまりにも可愛いから、少し意地悪してみたくなった」

「ほんとうにそれだけ?」

「どういう意味?」

「それは……」

 それ以上の言葉を口にすることができず、サラはうつむいてしまった。
 頭の上で、ハルがふっと笑うのが聞こえた。と同時に、壁についていたハルの手が離れる。
 あっさりと身を引かれ、サラの心に戸惑いが生じた。

 キスして欲しい。
 その手で私に触れて欲しい。
 なのにどうして?
 どうして、そんな思わせぶりな態度をとっておいて、私に触れてくれないの?
 どうしてあっさり引いてしまうの?

 いくつものどうしてが頭の中を過ぎっていく。
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