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令嬢は元暗殺者に恋をする
第5章 行かないで ※
「物好きな女だな。忘れたのか? 俺は人、二十人殺した。怖くないのか?」
サラは勢いよく首を横に振った。
「怖くなんかない!」
本当に?
正直心のどこかでハルを恐れていない?
へたに近寄ったらこちらが傷つきそうで。
だけど、離れたくない。
側にいたい。
私、ハルのことが……。
サラはしっかりとした眼差しで、ハルの瞳をのぞき込むように見上げた。
「ほんとうよ! それに私、ハルが本当に悪いことをする人だとは思えないもの。あの時、カーナの森で賊を殺したのだって何か理由があってのことでしょう? 私はそう信じてる。私、もっとハルのことを知りたい。私……ハルのことが好き。だから、行かないで」
言ってしまって、サラは耳の先までかっと赤く染めた。
それは、あまりにも突然すぎる告白だった。
ふと、ハルは何やら思いに沈むような顔つきでサラから視線をそらす。
その瞳に揺れるのは動揺の色。
だが、それは一瞬のことだった。
ハルは手にしていたシャツをベッドに放り投げ、ゆっくりとした足どりでサラの元に歩み寄る。
怖いくらい真剣なその表情に、サラは胸をどきりとさせた。
「ハル……?」
思わず片足を一歩引こうとした瞬間。
「何故、逃げる?」
サラの足がまるで呪縛にかかったようにその場で止まった。
「違……っ」
ハルの指先がサラの緩やかに波打つ髪の一房を絡めとりもてあそぶ。さらに、ハルのもう片方の手がサラの腰に回され引き寄せた。
抗う間もなく、とすんとサラの身体がハルの胸へと倒れ込んでいく。
互いの心臓の鼓動がわかるほどに、密着した状態であった。
サラは勢いよく首を横に振った。
「怖くなんかない!」
本当に?
正直心のどこかでハルを恐れていない?
へたに近寄ったらこちらが傷つきそうで。
だけど、離れたくない。
側にいたい。
私、ハルのことが……。
サラはしっかりとした眼差しで、ハルの瞳をのぞき込むように見上げた。
「ほんとうよ! それに私、ハルが本当に悪いことをする人だとは思えないもの。あの時、カーナの森で賊を殺したのだって何か理由があってのことでしょう? 私はそう信じてる。私、もっとハルのことを知りたい。私……ハルのことが好き。だから、行かないで」
言ってしまって、サラは耳の先までかっと赤く染めた。
それは、あまりにも突然すぎる告白だった。
ふと、ハルは何やら思いに沈むような顔つきでサラから視線をそらす。
その瞳に揺れるのは動揺の色。
だが、それは一瞬のことだった。
ハルは手にしていたシャツをベッドに放り投げ、ゆっくりとした足どりでサラの元に歩み寄る。
怖いくらい真剣なその表情に、サラは胸をどきりとさせた。
「ハル……?」
思わず片足を一歩引こうとした瞬間。
「何故、逃げる?」
サラの足がまるで呪縛にかかったようにその場で止まった。
「違……っ」
ハルの指先がサラの緩やかに波打つ髪の一房を絡めとりもてあそぶ。さらに、ハルのもう片方の手がサラの腰に回され引き寄せた。
抗う間もなく、とすんとサラの身体がハルの胸へと倒れ込んでいく。
互いの心臓の鼓動がわかるほどに、密着した状態であった。

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