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令嬢は元暗殺者に恋をする
第50章 目覚めて
「サラ」
再び眠りの底に沈みかけたところで、もう一度耳元で名前をささやかれ、サラはゆっくりとまぶたを開く。
自分を見つめている藍色の瞳が間近にあって、サラは恥ずかしそうに視線をそらし、きゅっとハルの身体にしがみつきその胸に顔をうずめた。
ついさっきまで、その瞳に見つめられながら抱かれていたのだと思うと、恥ずかしくてまともに顔を見ることができない。
それよりも、ハルの色気にあてられてのぼせそう。
わずかにまぶたを落としたハルの、藍色の瞳の奥にちらりと揺れ動く色香を忍ばせた影。
こぼれる吐息まで艶っぽい色がついていそうで。
女の子の自分だって、ハルみたいな色気は出せないわ。
それでも、自分を抱きしめてくれた腕は、力強い男の人の腕だった。
私、本当にハルと一緒になれた。
結ばれたのね。
「もう少し眠らせてあげたいところだけど、そろそろ目を覚まして。雨、あがったよ」
腕枕を解き、ゆっくりと上半身を起こしたハルが手を差し出してきた。
「ゆっくり起き上がって」
差し出された手をとり、ベッドから身を起こしたサラはかすかに眉を震わせた。
痛い……。
それに、少し身体がつらいかも。
でも、いやな痛みでもつらさでもない。むしろ、刻まれ残された痛みに、愛おしいものさえ感じた。
再び眠りの底に沈みかけたところで、もう一度耳元で名前をささやかれ、サラはゆっくりとまぶたを開く。
自分を見つめている藍色の瞳が間近にあって、サラは恥ずかしそうに視線をそらし、きゅっとハルの身体にしがみつきその胸に顔をうずめた。
ついさっきまで、その瞳に見つめられながら抱かれていたのだと思うと、恥ずかしくてまともに顔を見ることができない。
それよりも、ハルの色気にあてられてのぼせそう。
わずかにまぶたを落としたハルの、藍色の瞳の奥にちらりと揺れ動く色香を忍ばせた影。
こぼれる吐息まで艶っぽい色がついていそうで。
女の子の自分だって、ハルみたいな色気は出せないわ。
それでも、自分を抱きしめてくれた腕は、力強い男の人の腕だった。
私、本当にハルと一緒になれた。
結ばれたのね。
「もう少し眠らせてあげたいところだけど、そろそろ目を覚まして。雨、あがったよ」
腕枕を解き、ゆっくりと上半身を起こしたハルが手を差し出してきた。
「ゆっくり起き上がって」
差し出された手をとり、ベッドから身を起こしたサラはかすかに眉を震わせた。
痛い……。
それに、少し身体がつらいかも。
でも、いやな痛みでもつらさでもない。むしろ、刻まれ残された痛みに、愛おしいものさえ感じた。

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