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令嬢は元暗殺者に恋をする
第50章 目覚めて
「それ滅茶苦茶、褒め言葉」
「そうなの?」
「まさか、そういうこと言ってくれるとは思わなくて……嬉しくて」
サラは首を傾げる。
「俺、動揺してる……」
「だって、ほんとうのことだもの。まだ夢の中にいるみたいで、身体がふわふわして空に浮いてるみたい。だけど、私……たくさん泣いてしまって、ごめんなさい」
「どうしてあやまるの?」
「ハルを困らせてしまったのではないかと思って」
「嬉しかったよ。必死に俺にしがみついて、可愛い声で泣いて。何度も俺の名前を呼びながら、好きだと途切れ途切れに繰り返して。俺の方が気がおかしくなるかと思った」
お願いだから、恥ずかしいからもうそれ以上言わないで、と耳まで赤く染めサラはシーツで顔を隠してしまった。
「自分を抑えるのに必死だった」
サラはそろりとシーツから目だけをのぞかせてハルを見る。
「ハルは余裕なのだと思ってた」
「余裕? 好きな女を抱いてどうして余裕でいられると思う? ひとかけらの理性にすがりながら何度も自分に言い聞かせていたよ。自分を見失ってサラを壊してはいけない、怖がらせてはいけないって」
ハルがそんなことを言うとはとても意外で、少し驚いてしまった。それと同時にハルが、名前で呼んでくれていることに、サラは嬉しさにそっと口許を緩める。
「そうなの?」
「まさか、そういうこと言ってくれるとは思わなくて……嬉しくて」
サラは首を傾げる。
「俺、動揺してる……」
「だって、ほんとうのことだもの。まだ夢の中にいるみたいで、身体がふわふわして空に浮いてるみたい。だけど、私……たくさん泣いてしまって、ごめんなさい」
「どうしてあやまるの?」
「ハルを困らせてしまったのではないかと思って」
「嬉しかったよ。必死に俺にしがみついて、可愛い声で泣いて。何度も俺の名前を呼びながら、好きだと途切れ途切れに繰り返して。俺の方が気がおかしくなるかと思った」
お願いだから、恥ずかしいからもうそれ以上言わないで、と耳まで赤く染めサラはシーツで顔を隠してしまった。
「自分を抑えるのに必死だった」
サラはそろりとシーツから目だけをのぞかせてハルを見る。
「ハルは余裕なのだと思ってた」
「余裕? 好きな女を抱いてどうして余裕でいられると思う? ひとかけらの理性にすがりながら何度も自分に言い聞かせていたよ。自分を見失ってサラを壊してはいけない、怖がらせてはいけないって」
ハルがそんなことを言うとはとても意外で、少し驚いてしまった。それと同時にハルが、名前で呼んでくれていることに、サラは嬉しさにそっと口許を緩める。

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