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令嬢は元暗殺者に恋をする
第53章 胸騒ぎ
「裏街で問題なんて日常茶飯事。今に始まったことではないだろう? そうじゃない。俺の、ちょっとした客から仕入れた情報だ」
「おまえが客のことを口にするとは珍しいな。いいのか? 客の秘密は絶対他人に漏らさないのがおまえの掟だろう?」
「問題ねえよ、世間話に残していっただけだから」
「ふーん」
で? とシンはカイの言葉を目顔で促し、酒盃を口に持っていく。
「トランティアのご令嬢とどこぞの貴族のお坊ちゃんが、三日後に結婚式をあげると聞いた」
三日後? と呟いて、シンは持っていきかけた酒盃の手を止めた。
どういうことだ?
「トランティアの令嬢とは、あの子のことだろう?」
いいのか? とカイは切れ長の目を細めて問いかけてくる。しかし、シンは答えなかった。いや、答えられなかった。
サラはあのいけ好かない野郎と婚約していると言っていた。だが、あの夜会の日からまだ数日もたっていないというのに、いきなり結婚とは急展開すぎはしないか。
それとも、自分があの野郎を打ち負かしたことで、何か問題を引き寄せてしまったのか。
「何がどうなっているのか俺にはわからないが……」
俺だってどうなっているかわからねえよ!
「おかげでエレナはここのところ徹夜続きだ」
「エレナが?」
何故、ここでエレナの話題がでるのだと訝しんだが、カイの次の言葉ですべて納得する。
「おまえが客のことを口にするとは珍しいな。いいのか? 客の秘密は絶対他人に漏らさないのがおまえの掟だろう?」
「問題ねえよ、世間話に残していっただけだから」
「ふーん」
で? とシンはカイの言葉を目顔で促し、酒盃を口に持っていく。
「トランティアのご令嬢とどこぞの貴族のお坊ちゃんが、三日後に結婚式をあげると聞いた」
三日後? と呟いて、シンは持っていきかけた酒盃の手を止めた。
どういうことだ?
「トランティアの令嬢とは、あの子のことだろう?」
いいのか? とカイは切れ長の目を細めて問いかけてくる。しかし、シンは答えなかった。いや、答えられなかった。
サラはあのいけ好かない野郎と婚約していると言っていた。だが、あの夜会の日からまだ数日もたっていないというのに、いきなり結婚とは急展開すぎはしないか。
それとも、自分があの野郎を打ち負かしたことで、何か問題を引き寄せてしまったのか。
「何がどうなっているのか俺にはわからないが……」
俺だってどうなっているかわからねえよ!
「おかげでエレナはここのところ徹夜続きだ」
「エレナが?」
何故、ここでエレナの話題がでるのだと訝しんだが、カイの次の言葉ですべて納得する。

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