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令嬢は元暗殺者に恋をする
第54章 脅しと賭け
「さて、お仕置きの続きをしなければいけないね。きついお仕置きを」
「来ないで!」
ロープの端と端を握り緩めては伸ばすを繰り返し、ファルクはゆらりと身体を左右に揺らして近寄ってくる。
「暴れたりしないように、両手をきつく縛ってあげよう。かなり痛くするけど、これはお仕置きだからね。それに、痛くなければお仕置きの意味がないだろう」
男らしく凜々しい顔立ちに、爽やかな笑顔と柔らかな物腰。
社交界の女性たちの憧れの的であるこの男の本性は、とてつもなく残忍で嗜虐的であった。
「来ないでと言ったわ」
「謝っても、もう許さないよ。私を怒らせたのがいけない」
ファルクの目がサラの胸元へと移る。
引き裂かれた服の胸元から肌があらわとなっていたが、今はそんなことを気にしている場合ではない。
「私はね本当はおまえのようながきには興味はないのだよ。そんな青臭い身体を見ても欲情する気にもなれない。だけど、おまえは私のものだということをわからせてあげないといけないからね。さあ、今度こそ逃がさないよ」
サラは握りしめた短剣を、ためらうことなく一気に鞘から抜き放った。
落ちる月影が短剣の刃を青白く照らす。
どうしよもなく手が震えた。
それでも、決してこの短剣を取り落とすまいと、しっかりと柄を握りしめる。
立ち止まったファルクはほう? と片方の眉を上げた。
「来ないで!」
ロープの端と端を握り緩めては伸ばすを繰り返し、ファルクはゆらりと身体を左右に揺らして近寄ってくる。
「暴れたりしないように、両手をきつく縛ってあげよう。かなり痛くするけど、これはお仕置きだからね。それに、痛くなければお仕置きの意味がないだろう」
男らしく凜々しい顔立ちに、爽やかな笑顔と柔らかな物腰。
社交界の女性たちの憧れの的であるこの男の本性は、とてつもなく残忍で嗜虐的であった。
「来ないでと言ったわ」
「謝っても、もう許さないよ。私を怒らせたのがいけない」
ファルクの目がサラの胸元へと移る。
引き裂かれた服の胸元から肌があらわとなっていたが、今はそんなことを気にしている場合ではない。
「私はね本当はおまえのようながきには興味はないのだよ。そんな青臭い身体を見ても欲情する気にもなれない。だけど、おまえは私のものだということをわからせてあげないといけないからね。さあ、今度こそ逃がさないよ」
サラは握りしめた短剣を、ためらうことなく一気に鞘から抜き放った。
落ちる月影が短剣の刃を青白く照らす。
どうしよもなく手が震えた。
それでも、決してこの短剣を取り落とすまいと、しっかりと柄を握りしめる。
立ち止まったファルクはほう? と片方の眉を上げた。

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