この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
令嬢は元暗殺者に恋をする
第56章 口止め
「わ、わかったから……用意するから。すぐに……」

「できないのではなかったのか? それともさっき言った言葉は嘘だったと?」

「許して……」

 頼りない声を落とし、とうとう侍女の目から涙がこぼれ落ちる。

「もし、誰かに見つかったらそれこそ、怪我をしたのだと言え、理由などいくらでも考えつくだろう」

 侍女はわかった、と何度も首を縦に振りうなずいた。

「それと、わかっているだろうが、おまえがこの部屋で見たことは俺のことも含めて決して誰にも言うな」

「……」

「ファルクがこの部屋に来たこともだ」

 喉元にあてていた短剣を水平にかまえ、ゆっくりと侍女の目元まで持っていく。
 刃が両方の眼球に触れそうな、まばたきをすれば、まつげが刃にあたるほどの間近な位置であった。
 喉の奥で引きつった悲鳴を飲み込み、侍女は目の前の刃から逃れようと身を引くが、背後が壁では逃げることはできない。

 いや、少しでも動いたら……。

「やめ……て……」

「いいな」

 声も出せずに侍女は口だけをぱくぱくとさせる。

「何も見ていないと誓わなければ、おまえのその両目を切り裂く。これは脅しではない。本気だ」
/835ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ