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令嬢は元暗殺者に恋をする
第56章 口止め
「ハルどうしてしまったの。何をするの! やめて、ミリアを傷つけてはだめ。ハル、お願い……そんなことしてはだめ!」
再び、サラの引き止める声に、どうやらここまでだなと、侍女には気づかれないようハルは軽く息を吐く。
これ以上はサラの方が限界であろう。
彼女のことだ、侍女を庇うため飛び出してくるに違いない。そして、思っていた通り、サラがベッドの上で身動いだのが視界の端に入る。
「サラ。おとなしく待っていてと言ったはずだ」
侍女に視線を据えたまま、すかさず、ハルは動こうとしたサラを来るなと止める。
有無を言わせぬハルの命令に、サラは動くに動けずおろおろとしていた。
「誓えないのか? なら」
「待って……い、言わない……誰にも、絶対に言わない。見ていないと誓うから……から……いで」
最後の言葉はほとんどは涙声で聞き取ることができなかったが、必死で助けを求めていることだけは理解できた。
ハルは短剣を下ろした。と同時に、助かったとばかりにつめていた息を吐き出す侍女の身体から力が抜けていく。
足下を崩しかけた侍女の腕をつかみ、無理矢理立ち上がらせる。
再び、サラの引き止める声に、どうやらここまでだなと、侍女には気づかれないようハルは軽く息を吐く。
これ以上はサラの方が限界であろう。
彼女のことだ、侍女を庇うため飛び出してくるに違いない。そして、思っていた通り、サラがベッドの上で身動いだのが視界の端に入る。
「サラ。おとなしく待っていてと言ったはずだ」
侍女に視線を据えたまま、すかさず、ハルは動こうとしたサラを来るなと止める。
有無を言わせぬハルの命令に、サラは動くに動けずおろおろとしていた。
「誓えないのか? なら」
「待って……い、言わない……誰にも、絶対に言わない。見ていないと誓うから……から……いで」
最後の言葉はほとんどは涙声で聞き取ることができなかったが、必死で助けを求めていることだけは理解できた。
ハルは短剣を下ろした。と同時に、助かったとばかりにつめていた息を吐き出す侍女の身体から力が抜けていく。
足下を崩しかけた侍女の腕をつかみ、無理矢理立ち上がらせる。

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