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令嬢は元暗殺者に恋をする
第58章 解き放つ怒り
「でも?」
何? と、首を傾げてサラが問い返す。
「今のサラは、まだ可愛らしいって言葉があてはまるね」
照れたように顔を赤らめ、歩み寄ってきたサラがとんとひたいを胸に押しつけてきた。
「私どうしてしまったのかしら……少し変だわ。身体が熱くてめまいがする。足も何だか地についていない感じでふわふわするの」
サラのひたいに手をあてるとひどく熱かった。
張りつめていたものすべてが一気に解かれ、気が緩んでしまったせいもあるのだろう。
「……少しだけ、こうさせて」
体重をかけてきたサラの腰に腕を回して支える。
「私、ハルに甘えてばかりね。もっと、しっかりとしなければいけないのに」
「もっと、甘えておいで。サラのすべてを受け止めるから」
寄り添ってくるサラの髪を優しくなでると、腕の中の少女は緩やかにまぶたを閉ざした。
「もう少し、こうしていてもいい? ハルの腕の中にいると、とても落ち着くの。そうして髪をなでてくれるのも好き……気持ちがよくて、とても安心……する」
そのまま、すっと眠りに落ちていくかのように、腕の中でサラは意識を手放してしまった。
「サラ……」
と、小声で呼びかけあごに手をかけ上向かせる。
半開きになった唇から、静かな吐息がもれる。
すっかりと安心しきっているのか、腕の中で眠るサラの顔は穏やかだった。
目覚める様子はない。
何? と、首を傾げてサラが問い返す。
「今のサラは、まだ可愛らしいって言葉があてはまるね」
照れたように顔を赤らめ、歩み寄ってきたサラがとんとひたいを胸に押しつけてきた。
「私どうしてしまったのかしら……少し変だわ。身体が熱くてめまいがする。足も何だか地についていない感じでふわふわするの」
サラのひたいに手をあてるとひどく熱かった。
張りつめていたものすべてが一気に解かれ、気が緩んでしまったせいもあるのだろう。
「……少しだけ、こうさせて」
体重をかけてきたサラの腰に腕を回して支える。
「私、ハルに甘えてばかりね。もっと、しっかりとしなければいけないのに」
「もっと、甘えておいで。サラのすべてを受け止めるから」
寄り添ってくるサラの髪を優しくなでると、腕の中の少女は緩やかにまぶたを閉ざした。
「もう少し、こうしていてもいい? ハルの腕の中にいると、とても落ち着くの。そうして髪をなでてくれるのも好き……気持ちがよくて、とても安心……する」
そのまま、すっと眠りに落ちていくかのように、腕の中でサラは意識を手放してしまった。
「サラ……」
と、小声で呼びかけあごに手をかけ上向かせる。
半開きになった唇から、静かな吐息がもれる。
すっかりと安心しきっているのか、腕の中で眠るサラの顔は穏やかだった。
目覚める様子はない。

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