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令嬢は元暗殺者に恋をする
第60章 報復 -1-
 闇が闇を引き寄せる。
 底知れぬ深い闇を。

 ハルはまなじりを細めた。
 けれど、ファルクは気づいていない。

 相手の隠そうともしない殺気に。
 その目の奥に揺れ動く憎悪の炎に。

 触れるもの全てを引き裂こうとする狂気の瞳に。
 混沌の闇は今まさに手を広げ飲み込み食らいつくそうとしている。

 ハルは握った手をかすかに震わせた。
 怒りで我を忘れそうになるのは久しぶりだ。

「どうだ? 悔しいか? 何だね。もっと、怒り狂うさまを見られるかと思ったが、案外、そうでもなかったようだね」

 残念だよ、とファルクは戯けた仕草で肩をすくめる。

 殺してやりたい。
 この手で貴様を引き裂いてやりたい。
 指をひとつひとつ切り落とし、その目を抉り抜き、耳を削ぎ、舌を切り取り、顔を潰し、腹を裂いて臓物を引きづり出してやりたい。
 もちろん、この男が自分を挑発するために、虚言を吐いているのはわかっている。
 だが、たとえ、言葉といえどもサラを侮辱し、貶めるような発言は許さない。

 決して、許さない。

 恐怖と絶望に顔を歪め、泣き叫び、涙を流して許しを請うということがどういうことか、この男にも教えてやる。
 そうやって笑っていられるのも、いまのうちだ。
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