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令嬢は元暗殺者に恋をする
第61章 報復 -2-
「妻は賊どもに蹂躙され、そして、殺されかけそうになり、私も愛する妻をかばい負傷する。奇跡的に命は助かったものの、か弱い妻はあまりの衝撃に耐えきれず精神を病んでしまう。どうだね、悲劇的だろう? それにしても、奴らを雇うのに、かなりの金が飛んでいってしまったよ。すっからかんだ。いや、それどころか借金までしてしまった。だが、この計画を完璧に実行させるには、それなりの者に依頼をしなければならない。決して、失敗はしたくないからね。しかし、このアルガリタの国でもっとも由緒ある貴族、トランティアの家が手に入るのならそれも致し方あるまい。そうそう、これを見たまえ」
これと言って、ファルクはおもむろに懐から小さなガラスの小瓶を取り出し、眼前にかざし、見せつけるように瓶を軽く揺らした。
まるで琥珀を溶かしたかのような、透き通った黄金色の液体が瓶の中で静かに揺れている。
「これが何か、おまえにわかるかな?」
手の中の瓶を揺らしたり、透かしたりしながらうっとりと眺めるファルクの顔に、恍惚としたものが浮かんでいた。
ファルクが手にしている小瓶に視線を移し、ハルは細く目をすがめた。
それは何かと聞くまでもない。
毒だ。
これと言って、ファルクはおもむろに懐から小さなガラスの小瓶を取り出し、眼前にかざし、見せつけるように瓶を軽く揺らした。
まるで琥珀を溶かしたかのような、透き通った黄金色の液体が瓶の中で静かに揺れている。
「これが何か、おまえにわかるかな?」
手の中の瓶を揺らしたり、透かしたりしながらうっとりと眺めるファルクの顔に、恍惚としたものが浮かんでいた。
ファルクが手にしている小瓶に視線を移し、ハルは細く目をすがめた。
それは何かと聞くまでもない。
毒だ。

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