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令嬢は元暗殺者に恋をする
第62章 報復 -3-
 得意げに、己の勝ちを疑わない自信満々の態度で、ファルクは持っていた剣をハルに向かって真っ直ぐに突きつける。どうやら、相手の長々とした自分の素晴らしい計画語りは終わってくれたようだ。

 そうやって何もかも、相手に手の内を明かしてしまうとは愚かな男だ。
 俺が何者かも知らずに。
 さあ、反撃してやろうか。

「それで?」

「それで、だと?」

「喋りたいことは、すべて喋り終えたか」

「何?」

「満足したのかと聞いている」

 突然、態度を豹変させたハルに、ファルクは一瞬、惚けた顔をする。

「どうやら少しばかりこちらも状況が変わってしまった。いくつか貴様に尋ねたいことがある。答えてもらうぞ。もっともお喋りな貴様のことだ、俺が知りたいことはすべて快く語ってくれそうだな」

「そう言われると、こちらも絶対喋るものかとかまえてしまうではないか。駆け引きの下手な男だ。では、ここから先は堅く口を閉ざすとしよう。うっかり、よけいなことを口走ったりしないようにね」

「駆け引き? そんなもの必要ない。喋らずにはいられない状況にしてやる」

「ほう? まさかこの私を拷問にかけるつもりかね?」

「言うことをきかない子には、きついお仕置きが必要なんだろう?」

 お仕置きという言葉に反応したファルクは、にやりと口の端を持ち上げる。相手をいたぶることに愉悦を見いだす嗤いであった。

「ふふふ、おまえはまだ自分の置かれている状況、立場というものが理解できていないようだね。頭の悪い男だ。人の屋敷に乗り込んできて、お仕置きが必要なのはむしろおまえの方ではないのかね?」

「悪いが、俺はお仕置きとやらをされるより、する方が得意だ」

 ハルに突きつけていた剣をいったん下ろし、ファルクはかまえる。
 数々の剣術大会で優勝をしていると自分で言うだけあって、そのかまえに隙はないように見えた。
 強いというのもあながち嘘ではないのであろう。だが、たとえ、この男が本気でかかってこようとも、それでも、自分の敵ではない。

「おまえは剣を抜かなくていいのかな? その腰にさげている剣がお飾りでないのなら、抜いてみるといい。そして、この私と戦ってみろ」

「どうして?」

「どうしてだと? 子どもみたいに、いちいち聞き返すな! 私とおまえの実力の違いというものを、はっきりとわからせてやろうということだ」
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