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令嬢は元暗殺者に恋をする
第5章 行かないで ※
 恐怖に顔を強張らせ、両膝をすりあわせるようにして脚を閉じるが、いとも簡単に、ハルの手によって大きく割り広げられてしまう。
 脚を開かせられたまま、濡れた蜜口に堅く熱いものがあてがわれサラは目を見開く。

「や!」

「逃げるな」

 腰を引いて逃げだそうとしたところへ、厳しいハルの声に制されサラは硬直する。

「逃げたら問答無用で一気に挿れるよ」

「や、め……て」

 ハルの口許に薄い嗤いが刻まれた。

「逃げることもできず、いつ挿れられるかもわからないこの状況はどういう気持ち? 怖い?」

 サラは口を引き結んだまま首を振る。

「入っちゃいそうだよ」

 そう言って、ハルは自身のそれを蜜口のあたりで擦りつけるようにゆらゆらと腰を揺らす。

「やぁ……」

「中には出さないから安心して」

「なか……」

「あんた相手に、俺もそこまで非情なことをするつもりはないし」

「こんなことをして、じゅうぶん非情だわ!」

 サラの非難にまたしてもハルは嗤う。

「そうだね」

「そうだねって……」

 サラは顔を青ざめさせた。

「挿れるよ。身体の力を抜いて。でないと、痛みが凄まじいよ」

「いや! そんなのはいらない!」

「そう、濡れ足りないし、俺に抱かれる覚悟もない。何より、気持ちがついてきてないから、かなりきついだろうね」

「やめて、お願い。やめて……」

「でも俺、痛がる女の表情を見るのは嫌いじゃないんだ」
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