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令嬢は元暗殺者に恋をする
第69章 会いたい
残念だけど、お祖母様は人を見る目がまったくないわ。
だって、ファルクは女性には人気があるみたいだけど、ただそれだけだもの。
人当たり良く振る舞っているけど、目を見れば何となくわかるわ。
それにファルクが人望に厚いという噂も聞いたこともないし。
あの男の本性を知ったら、絶対この家に迎え入れようなんて考えはおこさないはず。
お祖母様はあの男に騙されているのよ。
ファルクのことを祖母に話したところで、おそらく聞いてはもらえないだろう。
祖母は決して自分の意見を曲げない人だ。
我が強く、いつだって自分は正しいと思っている。
サラは小さいため息をこぼし、立てた膝を抱えてうずくまる。
結婚か……。
結婚って、お父様とお母様のように愛する者同士が結ばれて、嬉しくて泣きたくなるくらい幸せいっぱいな気持ちになれるのだと思っていた。
そんな憧れを子どもの頃からずっと抱いていた。
もっとも、両親の場合が特別なのであって、本来なら、結婚する本人の意志など関係なく、顔もわからない相手と結婚させられるのが普通なのだ。
それこそ、家のために。
道具として。
だから、ハルと一緒になれると思った時は、それこそ、泣きたくなるくらい嬉しかった。
だって、ファルクは女性には人気があるみたいだけど、ただそれだけだもの。
人当たり良く振る舞っているけど、目を見れば何となくわかるわ。
それにファルクが人望に厚いという噂も聞いたこともないし。
あの男の本性を知ったら、絶対この家に迎え入れようなんて考えはおこさないはず。
お祖母様はあの男に騙されているのよ。
ファルクのことを祖母に話したところで、おそらく聞いてはもらえないだろう。
祖母は決して自分の意見を曲げない人だ。
我が強く、いつだって自分は正しいと思っている。
サラは小さいため息をこぼし、立てた膝を抱えてうずくまる。
結婚か……。
結婚って、お父様とお母様のように愛する者同士が結ばれて、嬉しくて泣きたくなるくらい幸せいっぱいな気持ちになれるのだと思っていた。
そんな憧れを子どもの頃からずっと抱いていた。
もっとも、両親の場合が特別なのであって、本来なら、結婚する本人の意志など関係なく、顔もわからない相手と結婚させられるのが普通なのだ。
それこそ、家のために。
道具として。
だから、ハルと一緒になれると思った時は、それこそ、泣きたくなるくらい嬉しかった。

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