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令嬢は元暗殺者に恋をする
第72章 怖いのは、あなたと離れてしまうこと
「そ、そんなこと……!」
「この私がかまわないと言っているのだ。このまま馬車を走らせろ。これは命令だ! 逆らうことは許さない」
「しかし……!」
「いいかね? 私の命令に従えないのならどうなるか、わかっているね。おまえ程度の代わりなどいくらでも……」
「止めて!」
そこへ、ファルクの言葉を遮るように、大きく前に身を乗り出しサラは御者台に向かって叫ぶ。
「この! おまえは後ろでおとなしく座っていろ。口出しするな!」
「そうはいかないわ!」
ファルクはサラの頭を鷲掴みにして無理矢理後方へと押しやる。が、サラも負けじとファルクの肩に手をあて押し返す。
今日結婚式をあげ、はれて夫婦となった二人が背後で激しく揉み合い、言い合う姿に男はさらにおろおろとする。
ハルをひき殺すなんて、そんなことはさせない。
絶対に!
「止めて!」
「止めるな!」
「馬車を止めて!」
「そのまま走らせろ!」
「止めなさい!」
「ひき殺せ!」
交互に叫ぶサラとファルクの声に、御者台の男はどちらに従うべきかとためらう。
そうこうするうちに、馬車は目の前を立ちふさぐ人物に迫ろうとしていた。
「この私がかまわないと言っているのだ。このまま馬車を走らせろ。これは命令だ! 逆らうことは許さない」
「しかし……!」
「いいかね? 私の命令に従えないのならどうなるか、わかっているね。おまえ程度の代わりなどいくらでも……」
「止めて!」
そこへ、ファルクの言葉を遮るように、大きく前に身を乗り出しサラは御者台に向かって叫ぶ。
「この! おまえは後ろでおとなしく座っていろ。口出しするな!」
「そうはいかないわ!」
ファルクはサラの頭を鷲掴みにして無理矢理後方へと押しやる。が、サラも負けじとファルクの肩に手をあて押し返す。
今日結婚式をあげ、はれて夫婦となった二人が背後で激しく揉み合い、言い合う姿に男はさらにおろおろとする。
ハルをひき殺すなんて、そんなことはさせない。
絶対に!
「止めて!」
「止めるな!」
「馬車を止めて!」
「そのまま走らせろ!」
「止めなさい!」
「ひき殺せ!」
交互に叫ぶサラとファルクの声に、御者台の男はどちらに従うべきかとためらう。
そうこうするうちに、馬車は目の前を立ちふさぐ人物に迫ろうとしていた。

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