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令嬢は元暗殺者に恋をする
第73章 もう二度と離れない
「花が」
乱れたサラの髪を指ですき、とれかかった飾りの花をさし直し整える。
「ドレス、似合っているよ」
蒼い月の光をまとった純白のドレスがしっとりと艶やかな光沢を放つ。
サラ自身が淡い光を放っているようであった。
「エレナさんが手がけてくれたドレスなの。とても素敵でしょう? あの男との結婚式は死ぬほど嫌だったけれど、ドレスだけは気に入っているの」
髪に触れていたハルの手が慈しむように、サラの頬にあてられる。
「少しお化粧もしているね」
「おかしくない?」
「どうして? きれいだよ」
「ほんとう? ほんとに?」
褒められ、頬を赤く染めるサラにハルはうなずく。
「見違えるほど、きれいだ」
ハルの手がそっとサラの頬をなでる。
お化粧でうまく隠してはいたが、頬がまだ少し紫色に腫れていた。
「まだ痛む?」
サラは平気と首を振り、そこでようやく今気づいたというように目を見開く。
「ねえハル、その姿……」
ハルの格好はサラとは対照的に、上下真っ黒な衣装に身を包んでいた。
まるで自身すら闇に溶け込む漆黒色。
途端、サラの顔に不安の翳りがにじむ。
そこへ。
乱れたサラの髪を指ですき、とれかかった飾りの花をさし直し整える。
「ドレス、似合っているよ」
蒼い月の光をまとった純白のドレスがしっとりと艶やかな光沢を放つ。
サラ自身が淡い光を放っているようであった。
「エレナさんが手がけてくれたドレスなの。とても素敵でしょう? あの男との結婚式は死ぬほど嫌だったけれど、ドレスだけは気に入っているの」
髪に触れていたハルの手が慈しむように、サラの頬にあてられる。
「少しお化粧もしているね」
「おかしくない?」
「どうして? きれいだよ」
「ほんとう? ほんとに?」
褒められ、頬を赤く染めるサラにハルはうなずく。
「見違えるほど、きれいだ」
ハルの手がそっとサラの頬をなでる。
お化粧でうまく隠してはいたが、頬がまだ少し紫色に腫れていた。
「まだ痛む?」
サラは平気と首を振り、そこでようやく今気づいたというように目を見開く。
「ねえハル、その姿……」
ハルの格好はサラとは対照的に、上下真っ黒な衣装に身を包んでいた。
まるで自身すら闇に溶け込む漆黒色。
途端、サラの顔に不安の翳りがにじむ。
そこへ。

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