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令嬢は元暗殺者に恋をする
第74章 最後の告白
「ハル、まさか……まさかよね。ハルはこのことを知っていて、だから……」

「そう、察しの通り、彼らは賊ではない。彼らは……」

「黙れ」

 すかさず、ファルクのその先の言葉をハルは遮る。

 婚約者に殺されようとし、やがてトランティア家を乗っ取ろうとするファルクの企みを、サラには聞かせたくはないと思ったからだ。

 自分が殺されると知れば、サラは心に深い傷を負うだろう。

 サラを傷つけたくはない。

 だから、何も知らなくていい。知るべきではない。

 このまま、ファルクの悪巧みごとすべて消し去る。

「それ以上余計なことを喋れば、真っ先に貴様をずたずたに切り裂く」

 ほお? と、ファルクは目をすがめた。

「俺が冗談で言ってるかどうか、貴様にならわかるだろう?」

 意味ありげな嗤いを口元に刻むハルに、ファルクは呻き声をもらし、歯をぎりぎりと鳴らした。

 数日前、ハルに散々な目にあわされたことを思い出したのか、苦々しい顔で露骨に片頬を歪め、折れた指を左手でさする。

 が、すぐにファルクはにやりと口許を歪めた。

「だが、今夜はあの時とは状況が違うということくらい愚かなおまえでも理解できるだろう? おまえが私の元へとたどり着く前に、こいつらがおまえに斬りかかる。この私に手を出すことなどできないのだよ」

「そうか? ならば、試してみるか? 俺が貴様を地に叩き伏せるのが早いか、それとも、そいつらが俺に斬りかかってくるのが早いか」

 ファルクはふっと笑って肩をすくめた。

「まあいい。どのみちおまえはこいつら〝賊〟どもに殺されるのだからね。そう、可愛い恋人の目の前で。おまえの名前を泣き叫ぶ愛しい恋人の声を聞きながら、おまえは無残な姿で死んでいくのだ。ふふ、面白くなりそうではないか。ぞくぞくするよ。ああ、命乞いは受けつけないよ。おまえはもう殺すと決めたのだから」

「何故、俺が貴様に命乞いをしなければならない」

「ハル! これだけの人数を相手にするつもりなの? この人たち普通ではないわ。ねえハル、そうよね? だからやめて、お願いだから、無茶なことはやめて」
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