この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
令嬢は元暗殺者に恋をする
第74章 最後の告白
「ねえサラ、どうしてそうやって悪いことばかり考えるの?」

「ハルこそ、どうして? どうしてそんなに落ち着いていられるの? 私を安心させようとして本当は無理をしているのでしょう?」

「無理? そんなふうに見える? それは違うよ。この程度のことなど、俺にとってはたいしたことではないから」

「この程度だなんて……」

 サラは俺の本当の恐ろしさを知らない。

 知ればそんなことなど言えなくなる。

「サラ、そう簡単に死ぬなんて言ってはいけないよ」

「私は本気よ」

「だとしたら、なおさら俺が奴らにやられるわけにはいかないね。サラにそんなことはさせられない。聞いてサラ。サラが本当に恐れるのはあいつらではなく、もしかしたら俺なのかもしれないよ」

「どうして私がハルを恐れなければならないの? そんなことあるわけがない」

 サラを見つめるハルの瞳が切なげに揺れる。

 すべてが終わった後に、今と同じ言葉をサラは繰り返してくれるだろうか。
 地に横たわる二十人の暗殺者たちの無残となった屍を見て、それでも、これまでと変わらない目で自分を見つめてくれるだろうか。
 自分を好きだと言ってくれるのだろうか。

 自信はなかった。

 サラから目をそらしたハルの表情に、一瞬、悲痛なものが過ぎる。
 寸刻の後に、この場には見るも耐えられない光景が広がる。
 その凄絶なまでに残酷で暴戻なありさまをサラには見せたくはなかった。
/835ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ