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令嬢は元暗殺者に恋をする
第75章 戦い -1-
堕ちていけ。
深い深い闇の底へ。
心の中で呟くその言葉は、目の前にいる暗殺者たちに向けたものではない。
自分自身にだ。
剣を握る右の手首にひらりと揺れる藍色のリボンが視界の端をかすめる。
愛する人を守るため、今再び心を刃と化しこの手を血に染めよう。
己の未来に欠片ほどの救いはなくとも、愛する者が光に向かって進んでくれるのなら、それでいい。
それだけで剣を振るう理由はじゅうぶんだ。
自己犠牲。
そんなたいそうなものではない。
ただ、サラが好きだから。
どうしようもないくらい愛しくて、この手で守りたいと、そう思っただけ。
そして……。
もうひとり別れを告げなければならない人がいる。
サラにも話すことができなかった人物。
握った剣の柄を飾る真紅に金糸の模様がほどこされた飾り紐。
真紅に金糸、それはこの国では特別な意味を持ち、許された者のみ身につけることができる色。
深い深い闇の底へ。
心の中で呟くその言葉は、目の前にいる暗殺者たちに向けたものではない。
自分自身にだ。
剣を握る右の手首にひらりと揺れる藍色のリボンが視界の端をかすめる。
愛する人を守るため、今再び心を刃と化しこの手を血に染めよう。
己の未来に欠片ほどの救いはなくとも、愛する者が光に向かって進んでくれるのなら、それでいい。
それだけで剣を振るう理由はじゅうぶんだ。
自己犠牲。
そんなたいそうなものではない。
ただ、サラが好きだから。
どうしようもないくらい愛しくて、この手で守りたいと、そう思っただけ。
そして……。
もうひとり別れを告げなければならない人がいる。
サラにも話すことができなかった人物。
握った剣の柄を飾る真紅に金糸の模様がほどこされた飾り紐。
真紅に金糸、それはこの国では特別な意味を持ち、許された者のみ身につけることができる色。

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