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令嬢は元暗殺者に恋をする
第75章 戦い -1-
二人の敵が左右から同時に。
彼らとて訓練された暗殺者。
動きは速く隙はない。
ただの賊とはわけが違う。
左手、頭上高く振り上げる敵の鋭い得物の咆吼を鞘で受け止め、さらに、右から落ちる攻撃を数撃、刃で打ち交わして相手を翻弄させ、斬る。
さらに、左側の敵を力技で押し返してねじ伏せ、よろめいた相手の首の根を狙って剣を薙ぐ。
そこへ、背後に敵の気配。
足音を殺し、殺気を消して。
振り上げられた敵の刃が間近。
が、相手の剣がハルに届くことはなかった。
目を細め、首を傾げて背後の敵を振り返ったハルの口許、口角がゆるりと上がり薄い笑みが刻まれる。
残念だったな、とでも言いたげな嘲笑と揶揄する眼差しに、背後にいた男は剣を振り上げた状態で目を見開き、その場に硬直するだけ。
何故なら、ハルの左手に持った鞘の先が背後の敵の喉を突いたからだ。
喉を潰され口許を覆う布の下から低い呻き声がもれる。と、同時にハルは剣を閃かせ敵の命を絶つ。
倒れた敵の手から剣が離れ地面に落ちる。
ハルは左手の鞘を手放し、敵の手から落ちた剣を器用につま先で蹴り上げ、鞘と入れかわりに左手におさめる。
十人──。
彼らとて訓練された暗殺者。
動きは速く隙はない。
ただの賊とはわけが違う。
左手、頭上高く振り上げる敵の鋭い得物の咆吼を鞘で受け止め、さらに、右から落ちる攻撃を数撃、刃で打ち交わして相手を翻弄させ、斬る。
さらに、左側の敵を力技で押し返してねじ伏せ、よろめいた相手の首の根を狙って剣を薙ぐ。
そこへ、背後に敵の気配。
足音を殺し、殺気を消して。
振り上げられた敵の刃が間近。
が、相手の剣がハルに届くことはなかった。
目を細め、首を傾げて背後の敵を振り返ったハルの口許、口角がゆるりと上がり薄い笑みが刻まれる。
残念だったな、とでも言いたげな嘲笑と揶揄する眼差しに、背後にいた男は剣を振り上げた状態で目を見開き、その場に硬直するだけ。
何故なら、ハルの左手に持った鞘の先が背後の敵の喉を突いたからだ。
喉を潰され口許を覆う布の下から低い呻き声がもれる。と、同時にハルは剣を閃かせ敵の命を絶つ。
倒れた敵の手から剣が離れ地面に落ちる。
ハルは左手の鞘を手放し、敵の手から落ちた剣を器用につま先で蹴り上げ、鞘と入れかわりに左手におさめる。
十人──。

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