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令嬢は元暗殺者に恋をする
第78章 戦い -4-
「そうだね。俺が年端もいかない子を手にかけるところなど、見たくないよね。俺も本当はサラにそんな残酷な場面は見せたくない」
ハルが一歩足を踏み出した。
サラは後ずさりかけ、いいえ、と首を振って踏みとどまる。
ここで動くわけにはいかないと。
ハルの左手がサラの頬に触れようと伸びる。
けれど、その手が己の流す血で汚れていることに気づきすぐにひいた。
かわりに、サラのあごに右手に握った剣の柄頭を添え、くいっと持ち上げる。
怒ったようにサラは眉をしかめ、ハルを睨みつけた。
「そんな目をして脅しても少しも怖くないから! 怖くなどないわ! それに、私を気絶させようとしても……いいえ! そんなことをしたらハルのこと、私……許さ……っ!」
はっ、と短い息をもらし、サラの声が途中で途切れる。
何故なら、ハルの剣がサラの足元の地面を突き刺したからだ。
サラの言葉を遮り、黙らせるように。
「許さなくていい」
これ以上の反抗はさせまいと、ハルは厳しく目を細めサラを見下ろす。
あごを持ち上げ、首筋を仰け反らせた状態でサラは目を瞠らせた。
喉がこくりと動く。
足元に突き立てられた抜き身の剣を恐れて、少しも動くことができず、その顔は青ざめていた。
剣の柄から手を離し、おとなしくなってしまったサラの頬に触れようと、ハルは手を伸ばす。
瞬間、サラはびくりと肩を跳ね上げた。
ハルが一歩足を踏み出した。
サラは後ずさりかけ、いいえ、と首を振って踏みとどまる。
ここで動くわけにはいかないと。
ハルの左手がサラの頬に触れようと伸びる。
けれど、その手が己の流す血で汚れていることに気づきすぐにひいた。
かわりに、サラのあごに右手に握った剣の柄頭を添え、くいっと持ち上げる。
怒ったようにサラは眉をしかめ、ハルを睨みつけた。
「そんな目をして脅しても少しも怖くないから! 怖くなどないわ! それに、私を気絶させようとしても……いいえ! そんなことをしたらハルのこと、私……許さ……っ!」
はっ、と短い息をもらし、サラの声が途中で途切れる。
何故なら、ハルの剣がサラの足元の地面を突き刺したからだ。
サラの言葉を遮り、黙らせるように。
「許さなくていい」
これ以上の反抗はさせまいと、ハルは厳しく目を細めサラを見下ろす。
あごを持ち上げ、首筋を仰け反らせた状態でサラは目を瞠らせた。
喉がこくりと動く。
足元に突き立てられた抜き身の剣を恐れて、少しも動くことができず、その顔は青ざめていた。
剣の柄から手を離し、おとなしくなってしまったサラの頬に触れようと、ハルは手を伸ばす。
瞬間、サラはびくりと肩を跳ね上げた。

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