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令嬢は元暗殺者に恋をする
第78章 戦い -4-
「ハル……何をするの。ねえ……いや、やめて……」
「動かないで」
こんなところで。
こんな状況で。
どうして。
何を考えているの?
ハルのことがわからない。
サラの目がそう訴えかけてくる。
「おやすみ、サラ」
まぶたを閉ざす寸前、目に映ったのは悲しそうなサラの表情。
言葉を交わすのもこれで最後となる。
そう思った途端、苦しいほどに胸が痛んだ。
互いの唇が重なろうとしたその時。
「だ、だめだ……だめだ!」
突然の少年の声に、サラはえ? と我に返る。
「お姉さん、その人から離れて! その人、さっき口に何か含んだ。親指を舐めたとき。たぶん薬、薬でお姉さんのことを眠らせようとしてるんだ! って、くそっ!」
サラにアイザカーン語は通じないと思った少年はもどかしい、とばかりにこぶしを地に叩きつける。
「何て言って伝えればいいんだよ! どうすれば……!」
しかし、すぐに少年ははっとなって顔を上げ、知っているアルガリタ語で一言。
「どくだ!」
と、叫ぶ。
「動かないで」
こんなところで。
こんな状況で。
どうして。
何を考えているの?
ハルのことがわからない。
サラの目がそう訴えかけてくる。
「おやすみ、サラ」
まぶたを閉ざす寸前、目に映ったのは悲しそうなサラの表情。
言葉を交わすのもこれで最後となる。
そう思った途端、苦しいほどに胸が痛んだ。
互いの唇が重なろうとしたその時。
「だ、だめだ……だめだ!」
突然の少年の声に、サラはえ? と我に返る。
「お姉さん、その人から離れて! その人、さっき口に何か含んだ。親指を舐めたとき。たぶん薬、薬でお姉さんのことを眠らせようとしてるんだ! って、くそっ!」
サラにアイザカーン語は通じないと思った少年はもどかしい、とばかりにこぶしを地に叩きつける。
「何て言って伝えればいいんだよ! どうすれば……!」
しかし、すぐに少年ははっとなって顔を上げ、知っているアルガリタ語で一言。
「どくだ!」
と、叫ぶ。

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