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令嬢は元暗殺者に恋をする
第79章 戦い -5-
「レザンの組織はおまえを捕らえ、今夜のことをそして、俺のことを聞き出そうとするだろう」
それこそ、拷問にかけて。
「も、もし、捕らえられてハルのことを問いつめられたとしても、俺、絶対に喋ったりしない」
「そう甘くはない」
「絶対だ。約束する! 男同士の約束だ」
ふと、少年は思い出したようにサラをかえりみる。
「じゃあ、お姉さんは? お姉さんだって……ハルとおもいっきりかかわってるじゃ……」
少年はそこで口を噤んでしまった。
顔を青くする少年に対し、サラは何の話をしているの? と二人を交互に見つめている。
「そこにいろ。まだ俺はやることがある。逃げるなよ」
「逃げないよ。実は……ほんとうは腰が抜けて立ち上がれないんだ」
「それと、サラに何かしたら」
「そんなこと! 何もしないよ。するわけがないじゃないか!」
少年はふるふると首を振った。
「サラはおまえを生かす唯一の存在だ。サラに万が一のことがあれば、どうなるかわかっているな」
少年はわかっているよと、何度もうなずく。
「何かあれば、爪を剥がす程度で済むと思うな」
「お、俺、ちゃんとハルのいうこときくから。逃げたりしないし。だから……もうそんな怖い顔して脅さないでよ……」
うう……と、声をもらして少年は泣き出し、こぼれる涙を乱暴に袖口で拭う。
それこそ、拷問にかけて。
「も、もし、捕らえられてハルのことを問いつめられたとしても、俺、絶対に喋ったりしない」
「そう甘くはない」
「絶対だ。約束する! 男同士の約束だ」
ふと、少年は思い出したようにサラをかえりみる。
「じゃあ、お姉さんは? お姉さんだって……ハルとおもいっきりかかわってるじゃ……」
少年はそこで口を噤んでしまった。
顔を青くする少年に対し、サラは何の話をしているの? と二人を交互に見つめている。
「そこにいろ。まだ俺はやることがある。逃げるなよ」
「逃げないよ。実は……ほんとうは腰が抜けて立ち上がれないんだ」
「それと、サラに何かしたら」
「そんなこと! 何もしないよ。するわけがないじゃないか!」
少年はふるふると首を振った。
「サラはおまえを生かす唯一の存在だ。サラに万が一のことがあれば、どうなるかわかっているな」
少年はわかっているよと、何度もうなずく。
「何かあれば、爪を剥がす程度で済むと思うな」
「お、俺、ちゃんとハルのいうこときくから。逃げたりしないし。だから……もうそんな怖い顔して脅さないでよ……」
うう……と、声をもらして少年は泣き出し、こぼれる涙を乱暴に袖口で拭う。

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