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令嬢は元暗殺者に恋をする
第80章 戦い -6-
「それは何だ? 何なんだ、吐き気をもよおすようなこの甘ったるい匂いは。おまえは何者だ……いや、レザンの暗殺者だと言っていたな。暗殺者? おまえが?」
そこでファルクはああ! と声を上げた。
「そうか、そうだったのか! 女王陛下が知りたがっていたレザンにある組織とはそのことだったのか。なるほど、暗殺組織か! つまり、女王陛下は暗殺者を雇おうとしている。誰を殺すか? ふはっ……言わずもがなだな。女王陛下にとって、もっとも邪魔となる存在。アリシア王女の暗殺というわけか! あるいは、王女を支持するごみくずどもの抹殺か? しかし、何故レザンの暗殺組織でなければいけないのか……まあいい、そんなことは私の知ったことではないからな。だが、惜しいな。私は小娘には興味はないが、あのきれいな顔をした王女を殺してしまうのは実に惜しい!」
馬車の扉に背をあずけ、ファルクの暴言を目を閉じこらえるようにハルは聞き流す。
ファルクは肩をくつくつと震わせて笑った。
「とにかく、この私はレザンの秘密とやらを突き止めたというわけだ。このことを女王陛下にお伝えすれば。いや! おまえを女王陛下の元へと連れていけば。私は……私は! ふ……ん?」
しかし、そこでファルクは力の抜けた笑いをこぼす。
そこでファルクはああ! と声を上げた。
「そうか、そうだったのか! 女王陛下が知りたがっていたレザンにある組織とはそのことだったのか。なるほど、暗殺組織か! つまり、女王陛下は暗殺者を雇おうとしている。誰を殺すか? ふはっ……言わずもがなだな。女王陛下にとって、もっとも邪魔となる存在。アリシア王女の暗殺というわけか! あるいは、王女を支持するごみくずどもの抹殺か? しかし、何故レザンの暗殺組織でなければいけないのか……まあいい、そんなことは私の知ったことではないからな。だが、惜しいな。私は小娘には興味はないが、あのきれいな顔をした王女を殺してしまうのは実に惜しい!」
馬車の扉に背をあずけ、ファルクの暴言を目を閉じこらえるようにハルは聞き流す。
ファルクは肩をくつくつと震わせて笑った。
「とにかく、この私はレザンの秘密とやらを突き止めたというわけだ。このことを女王陛下にお伝えすれば。いや! おまえを女王陛下の元へと連れていけば。私は……私は! ふ……ん?」
しかし、そこでファルクは力の抜けた笑いをこぼす。

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