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令嬢は元暗殺者に恋をする
第83章 王女アリシア
「私は暗殺されるのだろうか。母によって……レザンの暗殺者に狙われることになったら、私は確実に殺されてしまうだろうな……」
独り言のように呟くアリシアをしばし見つめ、ハルは口を開く。
「可能性は」
アリシアは緩やかに面を上げ、不安そうな顔でハルの次の言葉を待つ。
「低い」
低い? と繰り返すアリシアに、ハルは小さくうなずいた。
「レザンの暗殺組織は見境なく殺しの依頼を受けたりはしない。アリシアはこのアルガリタ国の唯一の世継ぎ。アリシアを殺せばどうなるか。国は大きく混乱し乱れることは間違いない。依頼があったとしても、組織は悪戯にこの国を乱すような真似はしない。だが、反対はどうだろうか」
それはつまり、イザーラの暗殺依頼があれば動くこともあり得るということだ。
しばしの沈黙が落ちる。
「アリシア」
静かに呼びかけるハルの声に、アリシアは何だ? と眉を動かす。
真剣な目で見つめるハルの藍色の瞳をアリシアは真っ向から受け止める。
「アリシアが望むのなら」
静かな、けれどはっきりとした口調。
ハルのその一言で、アリシアはハルが何を言わんとしているのか察したようだ。
アリシアはわずかに顔をひそめた。
その黒い瞳に憤りが揺れる。
独り言のように呟くアリシアをしばし見つめ、ハルは口を開く。
「可能性は」
アリシアは緩やかに面を上げ、不安そうな顔でハルの次の言葉を待つ。
「低い」
低い? と繰り返すアリシアに、ハルは小さくうなずいた。
「レザンの暗殺組織は見境なく殺しの依頼を受けたりはしない。アリシアはこのアルガリタ国の唯一の世継ぎ。アリシアを殺せばどうなるか。国は大きく混乱し乱れることは間違いない。依頼があったとしても、組織は悪戯にこの国を乱すような真似はしない。だが、反対はどうだろうか」
それはつまり、イザーラの暗殺依頼があれば動くこともあり得るということだ。
しばしの沈黙が落ちる。
「アリシア」
静かに呼びかけるハルの声に、アリシアは何だ? と眉を動かす。
真剣な目で見つめるハルの藍色の瞳をアリシアは真っ向から受け止める。
「アリシアが望むのなら」
静かな、けれどはっきりとした口調。
ハルのその一言で、アリシアはハルが何を言わんとしているのか察したようだ。
アリシアはわずかに顔をひそめた。
その黒い瞳に憤りが揺れる。

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