この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
令嬢は元暗殺者に恋をする
第86章 思いがけない、つかの間の再会
「ハルはレザンの人なの?」

 にこやかに問いかける相手にキリクは口を引き結ぶ。
 これ以上、余計なことを口走ってしまわないようにと。

「ま、いっか。それにしても、キリクくん、男らしいね。女の子を守ろうなんて感心感心」

 クランツの右手がすっと持ち上がった。
 キリクはびくりと肩を跳ねあげる。
 そろりとクランツの手がキリクの目の前に伸びて……。
 伸びたクランツの手が、キリクの頭をよしよしとなでた。

「……っ」

 まったく動くことができなかったキリクは苦渋に顔を歪め、唇から悔しげな呻き声をもらす。

「そんなに怯えなくても僕、何もしないよ。でも、怖がらせちゃったかな? ごめんね」

 クランツは可愛らしく小首を傾げた。
 そして、側にいる青年に厳しい目で見られていることに気づき、ぺろっと舌をだしてえへと笑う。

「行きますよ」

「えー! 僕、もう少し二人とお話ししたいのに」

 クランツはむうっと唇を尖らせた。

「クランツ」

 有無を言わせぬ青年の口調に、クランツは、はあい、と答えて肩をすくめる。
 心底残念という表情であった。
/835ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ