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令嬢は元暗殺者に恋をする
第87章 あなたの瞳におちて
「一部だけど今まで俺が働いてきた分だって。全部は持ちきれないし、使う予定もまったくないから、今はその教会にそのまま預かってもらっている。ほんとうは寄付をしてしまおうと思ったけど、受け取って貰えなかった。すでにレイからじゅうぶんな寄付と報酬を貰っているからと言われて……だけど、こんな汚れたお金、サラは嫌がるのではないかと思って」
人殺しで稼いだお金など……とハルは言葉を濁し、最後につけ加えた。
サラは慌てて首を振る。
「そんなこと、少しも思わない」
「こうしてサラと一緒に暮らしていくことになったし、俺もいつまでもふらふらしてるわけにはいかないから、働くことにしたよ」
「ハルが働くの?」
「俺はこの国の人間じゃないから、仕事を探すのも大変かなと覚悟していたけど」
「ううん、ハルならすぐに決まると思うの。だって、語学が堪能だもの。それって強みだわ。アルガリタは他国からやって来る人も多いし、言葉が通じる人がいれば助かるはずよね。きっと重宝がられるわ。それで、いったい、ハルは何カ国語喋れるの?」
「さあ、仕事でいろんな国に行っていたからね。そのために、子どもの頃から無理矢理、覚えさせられた」
「私もレザンの言葉を覚えたいから参考までに聞いていいかしら? どんなふうに覚えていったの? こつは?」
「こつ? もちろん、ちゃんと言葉を教える教師もいたし、あと、手っ取り早く覚えさせるためにって、何も持たされず、身体一つでその国に一人放り出されたこともあったかな。与えられた期限内に覚えろってね」
「……」
人殺しで稼いだお金など……とハルは言葉を濁し、最後につけ加えた。
サラは慌てて首を振る。
「そんなこと、少しも思わない」
「こうしてサラと一緒に暮らしていくことになったし、俺もいつまでもふらふらしてるわけにはいかないから、働くことにしたよ」
「ハルが働くの?」
「俺はこの国の人間じゃないから、仕事を探すのも大変かなと覚悟していたけど」
「ううん、ハルならすぐに決まると思うの。だって、語学が堪能だもの。それって強みだわ。アルガリタは他国からやって来る人も多いし、言葉が通じる人がいれば助かるはずよね。きっと重宝がられるわ。それで、いったい、ハルは何カ国語喋れるの?」
「さあ、仕事でいろんな国に行っていたからね。そのために、子どもの頃から無理矢理、覚えさせられた」
「私もレザンの言葉を覚えたいから参考までに聞いていいかしら? どんなふうに覚えていったの? こつは?」
「こつ? もちろん、ちゃんと言葉を教える教師もいたし、あと、手っ取り早く覚えさせるためにって、何も持たされず、身体一つでその国に一人放り出されたこともあったかな。与えられた期限内に覚えろってね」
「……」

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