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令嬢は元暗殺者に恋をする
第88章 あなたの瞳におちて -終- ※
 どうしよう。

 私からこんなことをしてしまったけど、ほんとうはここから先、何をしたらいいのかわからない。
 それに、ハルならたくさんの女の人に気持ちいいことをされて、きっと私なんかへたくそだと思われるに決まってるわ。

 そういえば……。

 初めて自分からハルにキスをしたときも、へたくそと鼻で嗤われてしまったことを思い出す。

 ううん! 他の女の人のことなんて考えちゃだめ!

 サラはハルの先端を口に含んだまま、無意識に首をふるふると横に振る。
 びくんと身体を震わせるハルに気づき、サラは慌てて口を離した。

「い、痛かった? ごめんなさい」

「違うよ」

 見ればハルの顔が赤い。戸惑ったような照れているような、そんな表情であった。

「ハル?」

「実は、こういうことされるの慣れてないんだ」

「慣れていない? ハルが?」

 サラはわずかに目を開いた。

 ハルは幼い頃から暗殺組織で様々な教育を受けさせられてきた。
 性技もその一つだと以前言っていた。
 そんなハルにも慣れていないことがあるとは意外だった。

 いや、ハルの口から慣れていない、という言葉じたい聞くのが驚きだった。
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