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令嬢は元暗殺者に恋をする
第88章 あなたの瞳におちて -終- ※
 サラの唇から震える吐息がもれる。
 腰の動きを耐えたまま、ハルはサラの髪を撫でキスの雨を降らせる。

「痛い?」

 サラは首を振った。
 振った途端、目の縁にたまった涙の粒がこぼれ落ち、その涙をハルの指先が拭いとる。

「ハル……あぁぁ……」

 次第に、痛みの先に疼くような快感が生み出されていく。
 痛みで泣き叫ぶ声ではない。
 甘さを帯びた声が自然と半開きになった唇からもれる。

 身体の中に愛しい男性(ひと)の存在を感じ、離したくないとばかりにサラの内部がハルのそれをきつく咥え締めあげる。
 目を閉じ快楽の声をあげるサラの眉間が徐々に解かれ、愛する人の腕に抱かれ支配される喜びに、身も心も打ち震えた。

「動くよ」

 耳元で囁いてハルは腰を軽く引いた。
 最初は浅く軽い振動で繋がった部分を馴染ませるように。そして、馴染んできたところで、いよいよハルは腰を使い始めた。

「あ……ぁ……んん……」

 先端ぎりぎりまで腰を引き、再びゆっくりと根元まで埋め込まれる。

 いつ引き抜かれるかわからないという快感に身悶え、引き抜かれ、いつ貫かれるかわからないという焦らしに震え、サラは啼きながら首を振る。

 くねらせるようにゆっくりと前後に動かすハルの淫らな腰の動き。
 初めての時は切羽詰まって気づかなかったが、蠢くようなハルの腰使いに欲情をかきたてられる。
 その動きを見せつけられるだけで、子宮のあたりが鈍く疼いた。

「い、や……」

「どうしたの? まだつらい? もう少しゆっくりがいい?」

「ハルの腰つきが……」

「俺の?」

「すごくやらしい……」

 ハルは笑った。

「そう? じゃあ、これは」

 そう言って、ハルの男根の先端が膣口の入り口を掻き混ぜるように回ってくねる。
 まるで踊るような腰の動きであった。

「あああっ!」

 浅いところをぐるりとかき乱され、内部の感じる部分に得も言われぬ快感が広がっていく。
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