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令嬢は元暗殺者に恋をする
第8章 突然の別れ
「医者として未知なる毒に対する好奇心か、罪をきせられた哀れな侍女とその家族の雪冤か、あるいは両方か。毒の出所を探し、真相を突き止めれば、二十年前の事件は歴史を覆す」

 ハルはまなじりを細め、さらに続けて言う。

「あんたは多少なりとも俺がいた世界のことを知っているようだが、これ以上の詮索は止めておくことだな。深入りはするな。そして、その秘密はあんたの胸のうちにだけ留めておくことを願う」

「そうですか」

 ベゼレートはどこか残念そうな表情を浮かべ、静かにうなずいた。

 ハルは背を向け歩き出す。が、ふと足を止めた。

「レザン・パリューの大陸を覆う雪と氷がようやく溶け始め、つかの間の短い夏を迎えようとする頃、銀雪山の山頂一面に咲き乱れる美しくも優雅な花。その花の花粉は人に幻惑を見せ。その花の蜜は人の思考を鈍らせ。その花の茎からでる汁は人の身体の自由を縛り。その花の根は人の生命を奪い取る」

 淡々と語るハルの低い声が粛然と響く。
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