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第2章 視線

都内の外資系ホテルのラウンジに着くと、彼は手を挙げて、息子さんを呼んだ。
「紹介するよ、息子の紘一です…、東都医大の３年生だよ…」と私に紹介してくれた。

「紘一です、初めまして、父から、伺っています。…綺麗な方だって聞いています。
実際お会いすると、そうなんですね…」と彼から聞いていた通りに、大人しく礼儀正しい子であった。

私も挨拶をすると、彼から、この上の階のレストランに予約してるから、行きましょう。と促された…


３人でテーブルを囲んで、ハーフコースの仏蘭西料理のデイナーを愉しんだ。
白身魚のポワソンが出てくる頃には、少し緊張が和らいだのか、彼が中心になって会話が進んだ、育ちが良さそうな賢い感じの子であった。

難しい白身魚をナイフをフォークで綺麗に食べるのは大人でさえ苦労するのに、苦もなく
食べていて、その様に思った。

ただ…私は、彼（紘一さん）に見られている感じがしていた…
その目の雰囲気が、前の彼の視線に似ていたせいもあったからもしれない…